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個人診療所開設・医療法人設立専門のヲタク行政書士®榊原です

独立開業をお考えの方へ

法人化と個人診療所開設、どちらがいいのか悩む

勤務医から独立をお考えの方で、医療法人にするか個人診療所にするかお悩みではありませんか?
自治体により、勤務医から医療法人設立が出来ない場合もございます。また、法人化と個人開業それぞれにメリット・デメリットがございます。

【法人設立】法人形態はどれがいい?合同会社のいいところをヲタク行政書士®がわかりやすく解説します。

個人事業が軌道に乗ったら、自然と考え始めるのが法人成り。

ただ、法人といっても色々種類があり、どれがいいのかわかりづらいですよね。

本記事では法人のうち「合同会社」の特徴をお話しします。

合同会社ってなに?

合同会社とは、アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルに、2006年5月1日の会社法改正で導入されました。

会社法という法律上では、合資会社・合名会社と並ぶ「持分会社」です。

難しい事はさておき、ぼくはお客様に次のように説明しています。

「経営陣みんなが平等な発言権をもつ会社」
「設立費用がお手頃な会社」

他にも、こんな風に説明します。

  • 出資者≒社員の人的信頼関係が基礎にある組合規律の会社
  • 大事な事柄は原則、社員全員で決める
  • 社員みんなが業務執行社員であり、代表社員である
  • 定款の相対的記載事項の量が多い、自由度が高い会社形態

法人といえば株式会社。

このような認識を持つ人にとって、持分会社は不可解な法人形態でしょう。

1つずつ見ていきましょう。

出資者≒経営者

株式会社では、出資をする「株主」と、会社の経営を行う「取締役」が存在します。

経営者を選ぶのは出資者である株主で、重要事項の決定は全て、株主の集会である株主総会にて行われます。

いっぽう、合同会社では出資も経営も原則「社員」が行います。

出資者≒会社の経営者なので、出資した社員全員に決定権がある事になります。

自由度が高い

株式会社の規定のほとんどは、合同会社には適用されません。

例えば、株式会社では役員は最長10年間という任期がありますが、合同会社に上限はありません。

また、利益配分・議決権とも出資比率に呼応する株式会社とは違い、合同会社は「1人1議決権」「定款で自由に設定」となっています。

その他の違いは下記の通りです。

株式会社合同会社
代表者の名称代表取締役代表社員
決算公告必要不要
定款認証必要不要
設立費用約20万円~約10万円~

合同会社は、こんな人におすすめです

こんな方には、合同会社をおすすめします。

  • 個人事業よりも節税をしたい「節税目的」
  • 並列な複数名で事業をしたい「共同事業」
  • 小規模で別の事業を始めたい「子会社」
  • 小さく始めて大きく育てたい「グローアップ目的」
  • 知名度は申し分ない「インフルエンサー事業」

法人の良いとこ取りができる

個人事業主と比べ、法人は「経費」に算入できる範囲が広いのが特徴です。

また、個人事業主の所得税は累進課税ですが、法人税は所得により800万円以下22%、800万円以上は30%で一定税率となります。

法人税は法人形態に関係がないので、節税等を前提に法人成りを考えるのなら、株式会社にこだわる必要はありません。

楽しくやりたい共同事業に

合同会社では、社員と出資者がイコールの関係です。

原則、社員全員が「代表権」「業務執行権」を持っているため、煩わしい上下関係がありません。

ただ、定款によって一定権限を持たせる社員を限定することもできます。

友人や経営者仲間など、フラットな関係を前提として共同事業を始める場合、株式会社ほど厳格なフレームは不要でしょう。

ミニマム起業にぴったり

合同会社の設立費用は、株式会社に比べるとかなりお値打ちです。

一般的な費用は下記の通りです。

費目株式会社合同会社
収入印紙代(定款用)4万円4万円
定款認証費用5万円0円
登録免許税15万円または資本金×0.7%
いずれか高い方
6万円または資本金×0.7%
いずれか高い方
合計約24万円~約10万円~
※電子定款を選んだ場合、株式会社・合同会社共に「収入印紙代」は不要です。

この他、株式会社では役員の任期が2年間と決まっている為、再任・就任時の登記費用(資本金1億円以下1万円、1億円超3万円)がかかりますが。

いっぽう合同会社では、役員の任期が法定されていないため、変更が生じない限り不要です。

また、毎年の決算公告義務がある株式会社では、官報掲載費がかかります。

合同会社ではこの点も法定されていないため、費用がかかりません。

長期的な観点で小さくスタート

ある程度のフレームが法律で定められている株式会社とは違い、合同会社は定款で設計できる幅が広いのも特徴です。

社員≒経営者の認識で進められるため、迅速な意思決定が期待できます。

また、原則平等な発言権を持つ社員ばかりなので、重要事項の決定時に余計な気を遣わなくて良い事も魅力です。

現場に近い立場の人間が発言権を得る事で、株式会社や大きな会社では難しい内容も実現可能性が高い事も、合同会社の特徴だといえます。

知名度は十二分!あとは実力

AppleやAmazon、Googleなど、既に大きく成長した会社が合同会社を選んでいます。

合同会社は株式会社と比べ、小規模かつ閉鎖的な運用になりがちで、社会的な信頼性が劣る事が挙げられますが、この点をカバーできるだけの認知度、実力があるのなら問題はありません。

既に著名なインフルエンサーや、それなりの規模まで成長した会社の子会社設立として指名するのにはぴったりな会社形態だと言えます。

合同会社のメリットまとめ

ここまで見てきた合同会社のメリットをまとめると、下記の通りです。

  • 初期投資、ランニングコストを抑えられる
  • 出資金額に関係なく、平等な発言権がある
  • 株主総会、取締役会、監査役、会計監査人等が不要で、簡易迅速な意思決定が可能
  • 株式会社への組織変更も難しくない

デメリットは?

ここまでポジティブな事ばかり書いてきたので、堅実な方ほど心配になっているのではないでしょうか。

メリットが多いのは事実ですが、デメリットもしっかりあるのでご安心ください。

  • 社会的信用度が低い
  • 資金調達の方法が限定的
  • 定款次第で白黒どちらにも転ぶ

社会的信用度が低い

株式会社と比べると、合同会社はまだまだ認知度が低い会社形態です。

認知度が低いと何が起こるのかというと、創業時の広告宣伝苦や求人の募集の難航が考えられます。

人は、変化を恐れる生き物です。

よく知らないものにチャレンジするくらいなら、既存・既知の企業が提供するサービスを受けたいと考えるでしょう。

求職者も同じで、株式会社で働いた事はあるけれど、合同会社で働いた事がない人の方が多いのが現実です。

合同会社という法人形態を「知らない」ために、自身の生活に直結する収入を左右する「企業の将来性」がはかれず、応募に際して抵抗感が高まります。

このため、事業内容にもよりますが、先駆者に負けない戦略を講ずる必要があります。

資金調達の方法が限定的

株式会社は、株式の増資で資金調達ができます。また、上場することで事業規模の拡大を目指すことができます。

しかし、合同会社には株式がないので増資ができず、上場もできません。

合同会社で資金調達を考えるとすれば、国・地方自治体による補助金や助成金、その他金融機関からの融資を検討する事になります。

ただ、負債扱いにはなりますが、社債を発行する事もできます。この場合、償還のために積み立てが必要となります。

資金調達だけでなく、知名度の向上を目的とした上場が目的なら、株式会社がおすすめだといえます。

定款次第で白黒どちらにも転ぶ

合同会社は自由度が高い法人形態です。

株式会社が法律でがんじがらめなのに対し、会社法に規定される3割は「相対的記載事項」として自由に設計ができます。

しかし、自由に設計できるがゆえの不自由が生じる可能性もあります。

特に問題となるのは、出資者の権利譲渡や事業承継の場面です。

様々なイレギュラーやトラブルを想定し、未然に防ぐことのできる定款を用意しましょう。

合同会社をおすすめしない人は

これらを踏まえ、ぼくが合同会社をおすすめできない人は下記の人です。

  • 事業拡大を視野に入れる「野望型」
  • 初動段階から人数が多く、意思決定に手間がかかる「大家族型」
  • 資金調達、知名度向上のため上場を視野に入れる「上場型」

まとめ

本記事では、合同会社をおすすめできる人・おすすめできない場合について触れました。

おすすめできるのは、こんな人です。

  • 個人事業よりも節税をしたい「節税目的」
  • 並列な複数名で事業をしたい「共同事業」
  • 小規模で別の事業を始めたい「子会社」
  • 小さく始めて大きく育てたい「グローアップ目的」
  • 知名度は申し分ない「インフルエンサー事業」

反対におすすめできないのは、こんな人です。

  • 事業拡大を視野に入れる「野望型」
  • 初動段階から人数が多く、意思決定に手間がかかる「大家族型」
  • 資金調達、知名度向上のため上場を視野に入れる「上場型」

法人形態には色々なものがありますので、まずは、自身の事業目的を明確にする事からはじめてみましょう。

本記事が、合同会社の設立をお考えの方の参考になれば幸いです。

この記事を書いたのは

ヲタク行政書士®榊原沙奈です。

カテゴリー: コラム合同(持分)会社株式会社法人設立・組織変更


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榊原沙奈
(さかきばら さな)
ヲタク行政書士®
やぎ座のO型、平成弐年式
法人設立、事業承継が得意
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