
本記事では、
- 建築業許可の有効期間
- 更新申請のタイミング
- 更新申請時に確認すべきこと
- 必要な書類
- かかる費用 等
をお伝えします。
Contents
建築業許可の有効期間は?
許可が下りた日から5年間です。
許可通知に「許可の有効期間」と表示があるので確認してみましょう。
万が一、通知書をなくしてしまった場合には、国土交通省の建設業者検索システムよりご確認いただけます。
更新申請のタイミングは?
建設業許可には「国土交通大臣」と「都道府県知事」による許可の2種類があり、どちらからもらった許可なのかによって違いがあります。
国土交通大臣許可の場合
有効期間の満了日3か月前から30日前に申請をします。
満了日が令和5年5月15日なら、令和5年2月15日から4月15日まで申請できます。
都道府県知事の場合
有効期間の満了日2か月前から30日前に申請をします。
満了日が令和5年5月15日なら、令和5年3月15日から4月15日まで申請できます。
万が一、間に合わなかったら…
「30日前までなんて知らなかった!」と絶望される方もいるでしょう。
実際、繁忙期に更新時期が重なってしまい、気づいた時には30日を切っていたお客様もいます。
が、ご安心ください。
実務上は満了日当日までに申請し、窓口で受付けてもらえれば更新許可は下ります。
ただ、提出書類の内容に不備があったり、追加で書類の提出を求められる場合もありますので、準備は早めにしておく事をオススメします。
更新申請時、何を確認すればいいの?
更新の際、5年前に提出した申請書類を一式ご用意ください。
この中で特に注意したいのが
- 常勤役員等(経営業務の管理責任者)証明書
- 専任技術者証明書
の2つです。
経営業務の管理責任者の現状は?
「常勤役員等(経営業務の管理責任者)証明書」に記載されている該当者が、現在も継続して取締役かどうか、社会保険に加入しているかを確認します。
もしも前回の取締役が辞めている場合。
定款も変更され、登記上別の取締役になっていますよね。経営業務管理責任者を新しい取締役に変更しなければなりません。
次に、取締役は継続しているものの、社会保険資格を喪失している場合です。
更新申請の前に、再度、社会保険に加入しなくては更新が認められません。
前回の許可取得時から申請時の「間」、ずっと加入していなくてはならないわけではないですが、「本店に常勤」である事が求められます。
ただ、社会保険喪失の理由が”後期高齢者になったから”という場合には、「住民税特別徴収税額通知書」「確定申告書の役員報酬明細」等で常勤である事を証明します。
専任技術者の現状は?
「専任技術者証明書」に記載した人について、今も社会保険が継続されているか確認しましょう。
この方は取締役である必要はありませんが、退職している場合。
退職日時点で要件を満たす人が後任になっているかと思いますので、この方が社会保険に加入している事を確認し、専任技術者変更届を行う必要があります。
決算報告は毎年提出していましたか?
建設業許可取得後の手続として、毎年、決算終了日から4か月以内の決算変更届出があります。
顧問税理士に任せている場合、税務署に提出する書類と混同される人がいますが、実は異なり、
- ”建設業”専用の財務諸表
- 工事経歴書
- 納税証明書
これらの書類を提出する必要があります。
「更新時まで1度も提出した事がない!」「そもそも、そんな手続知らなかった!」というお客様もいらっしゃいますが、決算報告をしなければ更新申請ができません。
更新申請と併せて、5年分の決算報告ができますので、焦らず準備を進めましょう。
許可取得時から変更はありましたか?
建設業許可が下りたあと、下記の事項に変更があった場合には届出が必要です。
変更後2週間以内に届出が必要
- 常勤役員等(経営業務管理責任者)
- 専任技術者
- 社会保険加入状況
- 令3条の使用人(支配人除く)
変更後30日以内に届出が必要
- 商号
- 営業所の所在地・電話番号・郵便番号
- 従たる営業所の名称
- 従たる営業所の新設
- 従たる営業所の廃止
- 従たる営業所の業種追加
- 従たる営業所の営業廃止
- 資本金(法人の場合)
- 役員等・5%以上の株主
- 代表者(法人の場合)
- 氏名改姓(代表者・役員・経営管理責任者・直接補佐者・専任技術者)
5年前の許可から今回の更新までの間に、これらの届出をすべて完了していなければなりません。
もしも忘れていた、漏れていた届出がある場合、更新申請と併せて行いましょう。
必要な書類は?
神奈川県知事許可を例として挙げると、下記の通りです。
- 建設業許可申請書
- 役員等の一覧表
- 営業所一覧表(更新)
- 収入証紙等はり付け欄
- 専任技術者一覧表
- 誓約書
- 令第3条に規定する使用人の一覧表
- 定款(写し)
- 財務諸表
- 営業の沿革
- 所属建設業者団体
- 健康保険等加入状況
- 主要取引金融機関名
- 常勤役員等(経営業務の管理責任者)証明書 または 常勤役員等及び当該常勤役員等を直接に補佐する者の証明書
- 常勤役員等の略歴書又は常勤役員等 及び 常勤役員等を直接に補佐する者の略歴書
- 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書
- 令第3条に規定する使用人の調書
- 登記されていないことの証明書
- 身分証明書
- 株主(出資者)調書
- 営業所確認資料(写真)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 副本
- 役員等の氏名記入用紙
- 法人番号指定通知書の写し又は国税庁法人番号公表サイトより、自社の情報を印刷したもの
場合により、ここで挙げたものが不要だったり、別の書類を求められる事もあります。
どれくらいの費用がかかるの?
更新申請の法定費用は5万円です。
一般許可と特定許可と療法を受けている場合、それぞれ5万円ずつかかるので10万円になります。
この他、証明書類等の取得にも費用がかかります。
添付書類等の取得費用(実費)
履歴事項全部証明書 | 600円 |
登記されていないことの証明書 | 300円 |
身分証明書 | 500円程度 |
※身分証明書の取得費用は、本籍地によって異なります。
行政書士等へ依頼する場合の費用(報酬)
建設業許可申請を依頼する場合、一般的には行政書士が専門です。
士業へ依頼する場合、上記の「費用」とは別に「報酬」が発生します。
また、「建設業許可(更新)申請」と「決算報告」の手続は別で報酬が発生するのが一般的です。
例えば当事務所の場合、
神奈川県知事許可への更新(法人)申請:120,000円
決算変更届(法人)>知事:80,000円
と、合計20万円になります。
高いか安いかはさておき、慣れない手続のために膨大な時間を割いたにもかかわらず、不備により書類を受付けてもらえなかったというケースもあります。
確実な建築業許可更新を目指すなら、ご自身でされるよりも専門家に任せる方が得策だといえます。
経営者として経費を抑える事も重要ですが、建設業を営む上で最重要なのは「確実な許可取得、継続」だとぼくは思います。
まとめ
本記事では、建設業許可更新について見てきました。
- 建築業許可の有効期間
- 更新申請のタイミング
- 更新申請時に確認すべきこと
- 必要な書類
- かかる費用 等
期間満了日を過ぎると申請は一切受付けてもらえず、許可が抹消されてしまいます。
満了日が近いとか、仕事が忙しくてご自身で申請書類を準備できない場合は勿論、決算変更届などを怠っていた等の場合は、建設業許可を取り扱っている行政書士へご相談ください。
もちろんぼくも承りますので、お気軽にご相談ください。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。