こんにちは。
ヲタク行政書士®榊原沙奈(さかきばらさな)です。

令和5年度行政書士試験まで6か月少々となりました。
受験生の皆さん、いかがお過ごしですか。
Contents
○か月で合格!系の記述を見るけど…
ぼくは行政書士試験を3度受けています。
詳細は著書にも記載していますので、気になる方はご覧下さい。
ですので、「○か月で一発合格!」とか「効率的勉強法」のような最短距離での実績はご紹介できません(苦笑)。
ただ1つ言えるのは、1度でも落ちた人間がこの手の書籍を参考にしても失敗するという事。
自分は要領が悪い人間なんだと諦める事も肝心です。
この記事では…
- 独学のメリット・デメリット
- 具体的な勉強法
- 勉強時間
- 使用した書籍等
- 行政書士資格はオススメか?
をお伝えします。
独学のメリット
- 低コスト
- 好きに進められる
- 他人に邪魔されない
低コスト
資格塾を活用すると、テキストや受講料等の費用がかかります。
ネットで調べた限り、4万円から26万円と幅があり、内容も様々でした。
人間は選択肢が多すぎるとフラストレーションを感じる上に、費用や時間などの負担が大きくなるほど「もったいない精神」がこみ上げます。
つまり、自分に合わないものでも「ここまでやったから」とか「お金をかけたから」と無理をしながら続ける事になります。
ただでさえ時間が惜しい中、合わないモノにお金や時間をかけ続けるストレスなんて考えただけで無理!!というのが、ぼくの見解です。
独学の場合。
資格塾選択のフラストレーションだけでなく、その後にかかる時間・お金を抑えられるのが最もわかりやすいメリットだといえます。
好きに進められる
資格塾のメリット・デメリットは、教材やカリキュラムが決められているところです。
毎年の出題傾向を徹底的に研究し、これに沿った内容を用意されている点は非常に魅力的です。
しかし、そのカリキュラムと教材、自分に合うのでしょうか。
講師との相性はどうでしょうか。
学生時代、教科担当者で好きな科目が左右されていたぼくにとって、講師選びで失敗すると永遠に合格はない。
実はこれが1番恐ろしく、資格塾を選ばなかった最大の理由でもあります。
「人間関係」というムダなコンテンツにリソースを割くよりも、多少の非効率はあっても、自由に選べ、好きに進められる点が最大のメリットでした。
他人に邪魔されない
資格塾には必ず「他人」がいます。
最初の受験、全く準備をしないまま臨んだ試験会場において、ぼくは絶望を味わいました。
「何を問われているのかわからない」
書いてある事が全くわからず、何を問われているのかすらわからなかったのです。
目の前のテストに為す術がない自分がやった事は、そっと周りに目を向ける事だけでした。
自分だけが手を止め、呆然としている中、周りの受験生は皆、休まず筆記具を動かし、ページをめくっています。
まるで、この場で自分だけが劣っているような劣等感に襲われました。
…とまぁ、これは極端な例ですが(笑)
他人と同じゴールに向かって進む環境では、これと似た感覚に襲われるのではないかと危惧した事。
これも資格塾を避けた理由です。
実際、外部受験時にはランク付けがされ、自分の順位に一喜一憂した事もあります。
他人に自分の情緒を乱されない事も、独学のメリットだといえます。
独学のデメリット
ここからはデメリットです。
- 質問や相談ができない
- 「同期」の不存在
- 実力がわかりづらい
質問や相談ができない
「わからない事はネットで解決できるだろう。」
楽観的に考えて始めた独学ですが、甘かったです。
正直、今でもわかっていない事があるかもしれません(苦笑)
テキストや問題集の解説欄に書かれている内容は、決して初学者向けとはいえません。自称「初学者向け」が多すぎる。
どのテキストも
「さぁ~!皆さんご存知の!!」
というノリで展開してきますが、それまで法律について学んだ事のない人間が知るわけがありません。
資格塾を活用すれば、ここは何ら問題はないのかもしれません。
ですから、尋ねる先や頼れる相手がいないのは独学のデメリットだと言えます。
「同期」の不存在
受験期のぼくにとって、他人はとことん邪魔な存在でした。
しかし、開業直後を振り返ると「同期」の存在が羨ましく見えたりもしました。
学生生活の中で同級生や友人の存在が貴重だったと感じられる人にとって、一緒に勉強する仲間の不存在はデメリットといえるでしょう。
実力がわかりづらい
自分を知るには、他人の存在が不可欠です。
独学の場合、自分しかいない。
または、自分というフィルターを通した情報しか享受しない環境にいるので、客観的な実力が分かりづらい事がデメリットです。
資格塾が実施する実力テストの外部受験すればクリアできますが、もらう結果は良くも悪くも数字のみ。自分で読み解かねばなりません。
具体的な勉強法は?
いよいよ、ぼくが実践した勉強法をご紹介します。
- 裏技はない
- 最初からテキストを開かない
- 五肢択一は5問
- 暗記勝負より忘却勝負
- 動画は観ない
裏技はない
大前提として、裏技はありません。
「これだけをやれば合格」とか、山当てのような事は一切していません。
ただ、
「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」
というように、先輩方の経験や試験の傾向を学び、自分のスケジュールに落とし込む事はできます。
試験対策の文献に当たる時は、裏技や小手先のテクニックではなく、あくまで「歴史」として掴む事を忘れないでください。
最初からテキストを開かない
「行政書士」と名のつくテキストを最初から開いてはいけません。
試験はあくまでも試験です。
知識を得るのが目的ではなく、問われている事に対応する知識を当てはめるのが場です。
まずは過去問や問題集を開き、これに対応するテキストを読む。
ぼくは、この順番で進めました。
問題集には解説がついていますが、ここでわからない部分を炙り出し、解決できるものを探します。
大手資格塾の出している行政書士試験の問題集には、対応するテキストが必ずありますが、これらを読んでもわからない事なんてざらでした。
ぼくと同じような人は、「行政書士試験を目指す人向け」ではなく、あくまで「一般向け」の本を読んでみる事をオススメします。
五肢択一は5問
行政書士試験は五肢択一のマーク式です。
5つの選択肢の中から正しいもの、または、間違っているものを選ばせる問題が延々と続きます(中には、複数選ばせるものもありますが少数です)。
実際に解いてみるとわかりますが、3肢はお茶の子さいさい。すぐにわかるような内容である場合が多く、残された2肢で迷います。
これは比較対象が正解以外に4つある事で起こる現象です。
目聡い人は早い段階で「5肢を全てバラすと意外と迷う」事に気づくのではないでしょうか。
ですから、過去問等を解く時には五肢択一で1問と考えるのではなく、五肢で5問と考え解いていく事を意識しました。
暗記勝負より忘却勝負
暗記する時は「覚える」ではなく、「忘れる」を前提に考えます。
こうする事で、むやみに積上げず「どうすれば忘れないか」を考え、対策を講ずるようになります。
行政書士試験の出題範囲は、かなり広いです。
あまりの果てしなさに受験期は何度も気を失いかけましたし(実話)、丸暗記で臨むのは今でも不可能だと思います。
先に触れましたが、試験は問われている事に的確に答える場です。
「問われる事がわかっていれば苦労しないやい!」と憤慨される人もいるでしょうが、問題を解き続ければ、ある程度の傾向はわかります。
例えば、数字。
時効は起算点や除斥期間、原則と例外を問われる事が多いですよね。
となると、数字は暗記しておかねばならない事がわかるかと思います。
反対に、会社法における役員の人数や任期。これらは大して問われません。
そもそも、商法・会社法は60問中たった5問しか出てきませんから、ぼくは潔く捨てて他に比重を置きました。
動画は観ない
合格後に知った事ですが、一定の独学受験生は動画で知識の補填をしているようです。
ぼくはといえば、ひたすら書籍1本で仕上げました。元々動画は好まない事も理由の1つではありすが。
メリット・デメリットでも書いたように、講師によって好きな科目が左右される事が最大の理由です(笑)
それと、ぼくは注意散漫です。
情報を一方的に与えてくるだけのコンテンツなので、視聴前に抱いた疑問解決が目的だったはずが、他の気になる箇所に軽々と脱線する未来が容易に想像出来ました。
なので、今からもう1度行政書士試験に向かって勉強を始めるとしても、動画は使わないです。
勉強時間は?
- 1度目はほぼゼロ
- 2度目は1日2~3時間
- 3度目は1日4時間~5時間
1度目はほぼ何もしていない≒ゼロなので論外とします。
2度目は初回の受験日翌日から丸1年、ほぼ毎日2~3時間を積上げました。
ただ、全くテキストを開かない日や、5分10分程度で満足する日もあったように思います。
合格年である3度目は、毎朝必ず2時間から3時間の勉強時間を確保していました。休日も関係ありません。
仕事を抱えて受験する場合、まとまった時間がとれる週末などに偏った学習計画になりがちですが(2度目がそうでした)、ぼくにとって非日常だった行政書士試験に必要な知識を維持するには、まとめるより、少量で継続した学習計画が必要でした。
使用した書籍は?
使用したモノを全て列挙すると膨大な量になってしまうので、合格年に使用したモノと、これはよかったと思うモノを厳選してご紹介します。
よくわかるシリーズ
「国家試験受験のための」とあるように、行政書士試験以外の国家試験にも対応する内容になっています。
「よくわかる」の点、かなり疑って読み始めましたが(笑)ぼくには1番わかりやすかったです。
法律初学者に
「よくわかる」と併用したのが本書です。
ちょっとした法律用語でつまずいていた初期に欲しかった1冊ですが、受験中期でもかなり助けられた1冊でした。
千問ノック
ぼくは毎朝こちらを1通り解いていました。つまり、ぼくが1番付き合った本です。
本記事において「五肢択一は5問」と書いたように、択一問題を1問ずつに分解したモノになります。
左に問題、右に解答・解説と見開きですぐに確認できるので、時間がない時でもすぐにインプット・アウトプットができてオススメです。
補助として、こちらも使用していました。
ぼくは飽きっぽいので(苦笑)、千問終わる前にこちらを触る事もありました。
ぼくが欲しかった!
問題集の解説がべらぼうに分かりやすかったのがTACさんです。「みんなが欲しかった!」とありますが、完全に、ぼくが求めていた本でした。
あまりにわかりやすかったので、判例集もTACさんのものを最後まで使用しました。
一般知識に
よく「足切り」などと怖いワードを用いる人がいるのが、行政書士試験の一般知識ですね。
幸いにも、ぼくはボロボロだった初年度から合格年まで何の対策もせず、一般知識だけは合格点を獲得し続けていました。ので、参考にはならないかもしれません。
ただ、何もしないのもなぁという事で、暇潰しにこちらだけ読んでいました。
資格試験自体はじめての人に
暗中模索状態だった2度目の受験期、何気なく手にした本です。
タイトルに「行政書士試験」とあったのが手にした動機だったのだと思いますが、全ての資格試験初心者に通ずる内容だったように思います。
当時のぼくにとっての「なるほど」があったので、ご紹介しておきます。
忖度なく言えば、オススメとまでは言えませんが暇を持て余すくらいなら、読む価値はあるかと思います。
行政書士資格はオススメか?
結論からいえば、どっちでもありません。
参考までに、ぼくが行政書士試験を志した理由は「何もなかったから」です。
受験当時に言語化できていなかったのが悔しいポイントですが(笑)、物事の正誤をはかる知識やマインドを持ち合わせていませんでした。
厳密にいうと、当時でなければ持てなかった価値観やマインドがあったのに、気づく余裕も知識も「なかった」のだと思います。
「学びは止めない」
これは、10代から持ち続けているぼくの思いです。
学ぶ対象がたまたま行政書士試験だっただけの事ですが、足を止めず進んで来たから「今」があります。
行政書士を目指すかどうかを決める際、世の中の需要動向を気にするならオススメは出来ません。
けれど、かつてのぼくのように、「自分をどうにかしたい」と考える人にとっては、試験勉強そのものが良いきっかけになるでしょう。
まとめ
本記事では、独学で行政書士試験に合格するために実践してきた事を紹介しました。
- 独学のメリット・デメリット
- 具体的な勉強法
- 勉強時間
- 使用した書籍等
- 行政書士資格はオススメか?
今年度、そして、この先に受験を考えている人にとって、本記事がお役に立てれば幸いです。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。