
本記事では、相続放棄に必要な手続をわかりやすく解説します。
Contents
相続放棄とは?
相続放棄は、相続人が自分の相続権を放棄することです。
いったん放棄すると撤回はできず、「はじめから相続人ではなかった」扱いになるため慎重に検討する必要があります。
相続放棄をオススメするケース
次のようなケースでは、相続放棄の検討をオススメしています。
2.紛争や問題を回避したい場合
3.管理する能力や意思がない場合
債務や負担が大きい場合
相続財産のマイナス幅が大きく、相続人に経済的な負担を与える場合、相続放棄を選択することで開放されます。
紛争や問題を回避したい場合
家族間での争いが予想される場合、これを回避するために放棄が有効な場合があります。
管理する能力や意思がない場合
相続財産の管理には、一定の手間や費用、その他手続が必要なことがあります。これらへの対応が難しい場合は、負担軽減のために放棄が有効です。
相続放棄の流れ
相続放棄には一定の手続が必要となります。手順は次の通りです。
相続放棄に必要な書類は?
相続放棄の申述に必要な書類は、下記の通りです。
※申立添付書類って何?
相続放棄の申述をするにあたって、あなたが正当な相続人かどうかを確認する必要があります。
そのため、添付する書類は、被相続人との関係により異なります。
例えば、配偶者の場合は「被相続人の死亡の記載のある(除籍、改製原戸籍)戸籍謄本」ですが、兄弟姉妹や甥姪の場合には「被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」に加え、「被相続人の直系尊属の死亡記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」なども求められます。
相続放棄に必要な費用は?
切手については裁判所ごとに設定金額が異なりますので、事前に確認しましょう。
- 収入印紙800円分(申述人1人につき)
- 連絡用の郵便切手
- 書類の取得代金
相続放棄の照会書って何?
相続放棄の照会書は、相続人が相続放棄を行ったことを公的機関に通知するための書類です。
本当に相続を放棄してもいいのか、意思は変わらないかなどの確認事項がつらつらと並んでおり、かなり慎重な姿勢がうかがえます。
ここで記載する内容が申述書の内容と矛盾すると、裁判所から問合せがありますので注意しましょう。
相続放棄申述受理通知書と証明書の違いは?
相続放棄申述受理通知書は、照会書を問題なく受理したことを報せるものです。
いっぽう相続放棄申述受理証明書は、相続を放棄したことを第三者に証明するときに使用します。
一般的な記載事項は、次の通りです。
✓ 相続放棄の内容
✓ 受理の証明
相続税申告や財産処分、相続手続などの場で求められますので、必要に応じて請求しましょう。
相続放棄の注意点は?
相続放棄をする場合、下記に気を付けましょう。
・撤回できない
・相続の開始前にはできない
相続放棄の期限
相続放棄の期限は、相続開始を知ってから3か月以内です。
放棄するかどうかを決断するため、財産調査や必要書類の収集などで追われ、非常に忙しい時期ですが、失念しないよう気を付けて下さい。
撤回NG
相続放棄を1度選択すると、撤回することはできません。
ですから、決断前にできる限りの調査をしておきましょう。
フライングNG
相続開始前から、相続しない旨の意思表示をしていても、放棄の効果は得られません。
必ず、相続放棄の申述手続を行いましょう。
まとめ
本記事では、相続放棄に必要な手続を解説しました。
手続の流れは次の通りでしたね。
被相続人の死亡後、色々な期限に追われることになりますから、賢く分担して適切に処理しましょう。
当事務所でも相続手続のお手伝いができますので、お気軽にご相談ください。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。