
本記事では、経営事項審査について解説します。
経営事項審査とは
経営事項審査は、国や地方公共団体が発注する公共事業を元請として受けたい場合、必ず受けておかなくてはならない審査のことです。
公共事業の発注機関は、入札に参加する事業者について資格審査を行います。
対象工事は
対象となる工事は、次の発注者が発注する建設工事で、1件の請負金額が500万円以上(建築一式工事は1500万円以上)のものです。
- 国
- 地方公共団体
- 法人税別表第一に掲げる公共法人(Wikipedia)
- 上記に準ずるものとして国土交通省例で定める法人
※一部例外もあります。
審査基準日
経営事項審査では、審査基準日を申請直前の決算日(直前の事業年度終了日)と定めて審査を行います。
有効期間
経営事項審査の有効期間は、結果通知書の受領後、審査基準日から1年7カ月間です。
計算のスタート時は「審査基準日」なので、通知書を受け取った時からではない事にご注意ください。
申請の流れ
次の通りです。

経営事項審査は、「経営規模等」「経営状況」と分かれています。
このうち、経営規模等は許可行政庁へ申請し、経営状況は国土交通大臣の登録を受けた分析機関に申請しておこないます。

提出書類
提出書類は、次の通りです。

引用:経営規模等評価申請・総合評定値請求の手引き 経営事項審査|国土交通省 関東地方整備局 県西部 建設産業第一課
手数料
「経営状況分析」「経営規模等評価」の申請、「総合評定値」の請求、それぞれに手数料がかかります。
手数料は、建設業法施行令第27条の14第2項で下記の通り定められています。


引用元:経営規模等評価申請・総合評定値請求の手引き 経営事項審査|国土交通省 関東地方整備局 県西部 建設産業第一課
経審のメリット
経審を受けるメリットは、次の通りです。

このほか、民間工事でも経審を求める工事はあります。
ネット上で経審結果は公表されており、自社のみならず、発注を考えている側も自社の情報を知り得る点で、成長機会にもつながります。
経審のデメリット
経審を受けるデメリットは、次の通りです。

準備すべき書類が多いため、通常業務と並行して準備を進めるのは容易ではありません。
それから、経審には有効期限があるので、継続的に公共工事を行う場合には更新が必要です。
これらは、専門家への依頼や新規業者の参入障壁と考えられますので、前向きに検討してみましょう。
まとめ
本記事では、建設業の経営事項審査について解説しました。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。