
本記事では、コインランドリーの開業に必要な流れ、許可・届出をわかりやすく解説します。
Contents
何はともあれ保健所
コインランドリー営業を始めようと考えたら、まず保健所への相談をおすすめします。
相談先になるのは、営業所を設置予定の地域を管轄している保健所です。
クリアすべき要件は大きく「施設」「費用」「管理者」の3つです。
コインランドリー開業の流れ
次の通りです。
- 立地、構造の選定
- 設備の選定
- FC加盟の選択
- 収支計画の策定
- 保健所への届出
立地・構造の選定
コインランドリーを設置できる立地は、各自治体により異なりますが、東京都では次のような要件が定められています。
- 別の土地と壁などで区別され、かつ、見通しの良い構造であること
- 利用者の作業に支障のない広さがあること
- 採光、照明、換気が十分行える構造であること
- 乾燥機・給湯設備等で発生する燃焼ガス等を戸外に排出できる構造であること
- 床や壁は、不浸透性の材料を使用し、掃除しやすい構造であること
- 流水式の手洗い設備を設置すること
- 洗濯機を設置するなら、60度以上の温水を使える設備にするのが「望ましい」
- ドライクリーニング用の洗濯機を設置するなら、換気や材料を回収できるもので、近所に迷惑をかけない位置に設置すること
- トイレを設置するなら、洗濯をする場所とはしっかりと区画すること
- 諸品の自動販売機や、洗濯に直接関係のない機器を設置する場合、利用者が選択するのを邪魔しない場所に設置すること
- 廃棄物専用のごみ箱を設置すること
いろんなことをたくさん書きましたが、まとめると次の通りです。
- 近所に迷惑をかけない場所、機械の設置方法をとる
- 利用者に配慮した機械の配置をする
経営上は、洗濯・乾燥を待つ時間を有効活用できる場所への立地が望ましいですね。
例えば、ショッピングセンターやコンビニ、書店などのそばなら、日用品の買い出しをしながら仕上がりを待つことができます。
また、たくさんの洗濯物を持ち込むことも予想されるため、駐車場は広めに確保できるといいでしょう。
設備の選定
洗濯機には小型、中型、大型など、複数のサイズがあります。
このうち、最も稼働率が高いのは中型ですが、下記の理由から大型も必要となるでしょう。
現代において、洗濯機を設置しない家庭は少数です。
そのうえで、自宅外の洗濯設備を選ぶ理由は、
- 大量の衣類を洗いたい
- 特に汚れのひどいものを洗いたい
- 自宅洗濯機の故障
などが予想されます。
このため、自宅に設置できるものより大型であることが最低基準になります。
FC加盟の選択
コインランドリー経営には、自力で頑張る以外にもFC(フランチャイズ)加盟という選択肢もあります。
本部と契約を結び、経営のノウハウを学んで運営を行っていくため、何を勉強すればいいのかわからない!という人には助かる類型です。
また、業務代行サービスの利用を提供しているところもあるため、拘束時間が少なくなるメリットもあります。
いっぽう、自由度が高く、全ての責任や売上を1人で背負う個人経営と比べるれば、制限はありますし、手取り収入も減ってしまうことが予想されます。
収支計画の策定
設備投資、店舗改装費等を考えると1000万円を超える開業資金が必要になることもざらな業界なので、創業融資を検討される方も多いでしょう。
この際、自己資金率が低ければ低いほど、実現可能性を数字で丁寧に説明していく必要があります。
とにかく保守的で、しかし、大胆な戦略を組み込んだ内容に仕上げていきましょう。
保健所への届出
保健所に、次の届出をします。
- コインオペレーションクリーニング営業施設開業届
- コインオペレーション営業施設概要
この他、税務署宛に開業届。
青色申告を検討される場合は、一緒に青色申告申請も行いましょう。
衛生管理責任者・有機溶剤管理責任者が必要
コインオペレーションクリーニング営業施設開業届には、次の責任者を記載する必要があります。
- 衛生管理責任者
- 有機溶剤管理責任者
衛生管理責任者とは
衛生管理責任者は何となく聞いたことのある人もいるかもしれませんが、店内の清掃・洗濯乾燥機のメンテナンスなどの「衛生管理」を行う責任者のことをいいます。
ここで選んだ責任者は、施設内に常駐するか、必要があればすぐに管理業務を行える程度の近距離にいることが求められます。
責任者の名前は、営業施設内の見やすい場所に掲示しておかなければなりません。
有機溶剤管理責任者とは
有機溶剤管理責任者は、コインランドリー内に設置する設備によって、必要な場合とそうでない場合があります。つまり、任意です。
選ばなくてはならないのは、ドライクリーニング用の洗濯機を設置する場合です。
多くのコインランドリーでは設置されていないので、ここでは端折りますが、設置しない場合より制約が多くなるのは避けられません。
まとめ
今回は、コインランドリー開業に必要な流れ・手続きを解説しました。
FC加盟と個人経営、いずれを選ぶ場合も事前調査は怠らないことをおすすめします。
本記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。