
ガレージをつくりたいのですが、許可とかいります?
必要です☺
順を追って説明していきますね。
住宅の購入と併せて、ガレージや物置を設置する場合には考えることはないかと思います。
しかし、購入後に自動車を購入したり、収容したいものが増えていくことにより必要を感じ、設置を検討する方が多いのではないでしょうか。
結論からいうと、ガレージの建築には「建築確認」が必要です。
しかし、一定の場合には不要とされることもあります。
今回は必要な手続と流れ、例外にあたる場合を解説していきます。
ガレージの建設に必要なのは○○
ガレージを建てるには、建築基準法と都市計画法を確認します。
六法全書を買わないとダメですか…?
いえいえ!
確認するのは、ガレージを建てるために必要な部分だけです。
ややこしい法文をAさんの代わりに確認し、わかりやすくご説明するのが私たち士業の仕事ですので、ご安心下さい☺
ガレージやカーポートは「建築物」として、取り扱われます。
建築物は、屋根や柱、壁などのある工作物のことをいいます。
法律上「建築物」とされるものをつくる場合、建築確認申請を行う必要があります。
ただし、つくろうとする地域と床面積が一定以内であれば、申請が不要になる可能性もあります。
建築前に必要なのは
建築物を建てる前に、市区町村役所へ「建築確認申請」を提出します。
確認申請は、工事着手前に「特定行政庁」または「検査確認機関」に設計図書を提出し、建築基準法の適合要件に当てはまるかどうかの確認してもらうための申請です。
確認される内容は?
確認申請により確認される内容は、ざっくり下記の通りです。
2.容積率
3.採光
4.用途地域
5.地区計画
6.仕様規定 など
建ぺい率は、敷地に対するガレージ面積の割合をいいます。
容積率は、敷地に対するガレージの床面積の割合です。
どちらも同じじゃないんですか?
建ぺい率は「広さ」
容積率は「高さ」
を制限するものをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
用途地域は、都市計画法で指定されるエリアのことです。
地区計画は、都市計画の一部で、用途地域よりも更に限局的なエリアに対する計画です。
仕様規定は、ガレージの材料や寸法などを細かく規定したものです。
これら以外にも確認項目があり、全てクリアした強者だけがガレージ建設を許されることになります。
ガレージ建設の流れ
工事の流れは、次の通りです。
2.現地調査
3.要件の確認
4.図面作成
5.契約
6.確認申請・確認済証交付(※)
7.着工
8.完了検査・検査済証交付
9。引渡し
※一定の場合、確認申請後、確認済証交付までの間に「消防同意」が必要です。
完了検査・検査済証交付
完了検査は、建築後に受ける検査をいいます。義務です。
建築確認申請では、着工前に「設計の適法性」を確認しましたが、完了検査では、設計通りに建築したのかを確認されることになります。
神奈川県の場合、次の担当課を経由して申請を行います。
✓ 座間市:建築住宅課
✓ 綾瀬市:建築課
神奈川県で建築を行い、中間・完了検査をする場合には、「中間・完了検査チェックシート」の提出が必要です。
対象となる書類は次の通りです。

引用:検査の種類と提出が必要なチェックシートの種類|神奈川県公式サイト
チェックシートはこちらのページよりダウンロードできます。
「消防同意」の事前相談先も、同市内の消防本部にて行います。
ガレージの種類
ガレージは「建築物」で、車の出入り口を除いた三方を壁に囲まれています。

この出入り口を、解放したままにするのか、シャッターを設けるかを選べますが、申請すべき内容や受ける確認・検査に違いはありません。
確認項目に増減はあるかもしれませんけどね。
同じ車庫として考えるなら、カーポートという選択肢もあります。

ガレージと比べると簡易的ですが、建築確認申請は必要です。
建築確認申請をしなかったら
申請が必要であるにもかかわらず、申請をしなかった場合。
無許可工事として、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
それだけでなく、申請をしないまま着工し、行政から出された中止命令を無視した場合は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処される可能性があります。
自治体にもよりますが、違反建築物の住所、建築物の写真、所有者情報等を公表されるケースがあります。
まとめ
今回は、ガレージを建てる際に必要な建築確認申請について解説しました。
DIYブームにより、自宅に色々な工作物をつくられる方が増えていますが、法律上の「建築物」に該当すれば、申請や納税義務が発生することになります。
目先の煩わしい手続等を回避することは、後々のトラブルや余計な出費を招く事に繋がり、総合的に大きなマイナスを出す可能性もあります。
事前の確認は怠らないようにしましょう。
本記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。