
初めての開業、初めての手続き、初めてのハプニング…!
初めて尽くしの開業では、たくさんの沢山が目まぐるしく押し寄せてきます。
猫の手も借りたいそんなときに頼れる専門家をご紹介しつつ、選ぶ際の注意点を解説していきます。
Contents
専門家の力を借りるメリット
次の通りです。
✓ 最速での目標達成
✓ 本業に集中できる
✓ 事前・事後のリスク対策
専門的な知見のフル活用
開業だけでなく、経営をしていくうえで、知らなければならない知識は多量にあります。
時には、開業する先生自らが学習していくことも必要ですが、本業に集中するには、はなから専門家に任せるのが1番です。
困りごとが起きる度に相談先を探すより、開業前から一貫して同じ相手に頼むことで、それまでの経緯を正確に把握し、先生の築きたい未来に適切な解を導き出してくれるはずです。
専門外のジャンルにおいて、相手の専門性をはかることは不可能ですから、ご自身が「この人なら」と感じる相手を見つけるのがコツです。
最速での目標達成
よくわからない物事に当たるとき、賢い方ほど「歴史」を学ばれるのではないでしょうか。
前例やご自身のクリニックと似た事例を探す手間はもちろん、適用環境が似ているように見える事例であっても、中身は全く異なるもあります。
このような不確定要素に対し、手間や時間を割いたにも関わらず、結局徒労で終わることも。
はじめから専門家の手を借りることで、プロの仕事や知識の「使い方」を間近で観察し、時には教授を乞うこともでき、目の前のタスクが減る一方でご自身の知識は豊かになっていくでしょう。
本業に集中できる
医師は医学のプロフェッショナルですが、はじめから経営を心得ている先生はごくわずかです。
先生の本業はあくまでも医療・経営であり、専門家の力を借りることで、経営に関連する税務や書類作成などのいわゆる「作業」に手間を割く必要はありません。
院長ご自身の時間を増やすことで、さらなる躍進を遂げていけるのではないでしょうか。
事前・事後のリスク対策
税や取引先、従業員とのもめごとに対し、後手にまわっていては振り回されるばかりです。
リスクには必ず「要因」が含まれますが、リスク対策の専門家に頼ることで、事前・事後の両面で効果的なアプローチが期待できます。
前もっての備えは、万が一トラブルが発生した場合の傷を浅く、かつ、後遺症を残すリスクを低減させられるはずです。
選ぶ時にはどうすればいい?
専門家を選ぶ際は、次のポイントをおさえましょう。
(2)対応力
(3)料金・サービス内容の明確さ
(4)アフターフォロー体制
(5)提案力
(1)実績
どの業界でも「実績」の確認をされることをお勧めします。
起業まもない事業者はどうしようもありませんが、具体的かつ客観的な証拠を示す実績がある事業者は信じられますよね。
反対に、数字ばかりアピールするものの、それに伴う客観的な証拠がなければいかがでしょうか。
ダイエットトレーナーが肥満体だと信じられません🙄
これと同じ原理ですね。
「お客様の声」など、実際のユーザーからの声があれば確認しましょう。
すべてを鵜呑みにするのは危険ですが、ある程度の想像はできるはずです。
自己防衛、大事💪
(2)対応力
実績がわからない場合、対応力を確認しましょう。
対応力というのは、質問や相談、説明時やトラブルは発生した時、電話やメール対応など、あなたに向ける全ての動作を指します。
人は、相手から膨大な情報を得ています。
これらすべてを言語化することは至難の業ですが、先生がこれまでに培った経験則と照らし、脳は「信じられるかどうか」を判断しています。
なんだか信用できないと感じることが少しでもあるお相手への依頼は、おすすめいたしかねます💦
できれば、複数の事業者へ相談し、各社を比較して決めるようにしましょう。
(3)料金・サービス内容の明確さ
報酬額を提示していない事業者は論外ですが、表示方法がざっくりしすぎていたり、肝心なサービス内容が不透明な場合には、必ず確認してください。
この際に提示される内容がなお曖昧な事業者は、この先ものらりくらり、こちらが聞きたい回答に答えてくれない可能性が高いです。
具体的にどんな手伝いをしてくれるのか、納期や全体のスケジュールは把握できているか等、面倒くさがらず確認するのが身のためです。
(4)アフターフォローの体制
開業を専門とする事業者の中には、開業した途端にぷっつりと関係が途絶えるところもあるようです。
経営は、継続していくことが大前提ですが、そのスタートとなる「開業」という段階を担当した人間がいなくなると、その後何度も困る場面が出てきます。
開業時はどこも多忙なうえ、任せた内容までしっかりと把握・記憶している先生はほとんどいらっしゃいません😓
開業後のフォロー体制や、実際に行っているフォロー内容などを確認し、ご自身の希望にこたえてくれるかどうかを確認しましょう。
(5)提案力
「正しくて、役に立たない士業」
我々士業はこのように揶揄されることがあります。
専門性を磨けば磨くほど、法律や制度理解を深めれば深めるほど、それが「正解」と思い込んでしまう士業も少なくありません。
先生のご要望に対し、正誤判定しかしてくれず、”誤”と認定したのに解決策や代替案など前向きな提案をしてくれない士業もいます。
「正しさこそ顧客のため」と思い込んでいる先生もいらっしゃいます😓
あくまで主観的な意見ですが、本当の専門家は、それまでの経験や持てる知識を駆使して、目の前の顧客に合うプランをご提案していく力がある人と捉えています。
ですから、先生方に合った提案をしてくれる人、何より先生のお話をしっかり聞いてくれる相手を選ぶことがより理想に近づくための最適解だと私は考えています。
士業の得意分野は?
開業時、開業後に力を借りるであろう専門家は次の通りです。
税理士
税理士は「税」に関するプロフェッショナルです。
毎年の確定申告はもちろん、資金計画、税務調査の際に立ち会ってくれるなど、とても心強い味方になってくれます。
ただし、税理士により専門分野は異なります。
将来、分院や医療法人化を検討されている場合には、法人成りにも対応できるかを確認しましょう。
社会保険労務士
社会保険労務士は人事・労務関連のプロフェッショナルです。
具体的には、雇用契約書や就業規則、雇用に関わる補助金・助成金申請、スタッフとのトラブルに関わる業務を担当します。
従業員を雇うのなら、1度は相談される機会もあろうかと思われますので、早めにめぼしはつけておきましょう。
弁護士
弁護士は、法律全般のプロフェッショナルですが、もっとも得意なのは「訴訟」です。
従業員の退職時やテナントとのもめごと、その他、日々の取引の中で生じる契約行為等のリーガルチェックを一貫してお願いすることができます。
ただし、ビジネスライクな弁護士だと勝訴率を重視した交渉内容を展開することもありますので、先生に寄り添ってくれる相手を選びましょう。
司法書士
司法書士は、不動産のプロフェッショナルです。
もう1歩踏み込むと「登記」の専門家なので、将来分院予定があるのならお世話になることもあるでしょう。
また、事業承継や法人成り、組織変更等の際にも相談に応じてくれます。
医療に関わる業務実績のある司法書士を選べるのが理想です。
行政書士
行政書士は、手続き・代行のプロフェッショナルです。
膨大な書類の作成、これに伴う収集・提出・補正・授受などを一貫して任せられるため、物理的なサポートが期待できます。
医療関連の書類は、どれもこれも期限厳守。
そのうえ、1種類でも遅れると大損害を被る内容も存在しているため、確実に処理してくれる行政書士に任せることで「期限」というストレスからの解放が期待できます。
コンサル等
その他、クリニック専門のコンサルタント等が考えられます。
医療系のコンサル会社に依頼した場合、ここまでに紹介した士業チームを抱えているところがほとんどでしょうから、個別に選ぶのが面倒と感じる方は、はじめからコンサル会社へ相談されるという選択肢もあります。
まとめ
今回は、クリニック開業において専門家の力を借りるメリットと、選ぶ際のポイントを解説しました。
先生方は賢い方が多いので、わざわざ専門家を入れなくてもご自身でできる!とお考えになるかもしれません。
もちろん、ご自身のクリニックですから、ご自身で育てていく喜びもあるでしょう。
しかし、少しでも本業に支障が出たり、先生のご負担だと感じるようなことがあるのなら、部分的にでも力を借りることをおすすめします。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。