
今朝、「元同僚が植物人間になった」と報告を受けました。
不勉強なもので、ご家族にどのような言葉をかければいいのかわからず、言葉が詰まりました。
植物状態と脳死との差が明確にわからなかった私は、自分なりに調べてみました。
そこで本記事では、これらの違いと、介護にあたるご家族に注意していただきたいことをお話します。
植物状態とは
植物状態とは、正しくは「遷延性意識障害」のことをいいます。
脳は色々な役割を担う臓器で、そのうち「思考」「行動」を制御する大脳が、動くのを辞めてしまった状態です。
いっぽう、「呼吸」「体温調節」などを司る小脳は動いているため、自力で生きられることがほとんどなようです。
植物状態からの回復可能性はゼロではなく、若い方ほど可能性は高くなるそうです。
しかし、発症後半年以内の死亡率が高く、時間が経過するほど可能性は下がるともいわれています。
脳死とは
脳死とは、脳が全ての動きを放棄した状態をいいます。
人工呼吸器などで支えなければ心臓は停止し、死んでしまう可能性が高い状態だといえます。
脳死後、医療機器を使えば呼吸・心拍を維持することはできるものの、脳が働いていないことから、他の臓器も次第に活動を停止していくそうです。
つまり、回復は絶望的だといえます。
介護生活へ
植物状態になった方は、自力で動くのが難しくなります。
健康なうちは気にならないでしょうが、可動域を動かさずにいると関節が固まるだけでなく、免疫力が低下し、血栓による別の病気を発症する確率が高くなります。
これらを防ぐために、リハビリや投薬をご家族が担うことになるでしょう。
介護には、様々な費用がかかります。
植物状態のご家族のお世話をする方が全額を負担することは厳しく、本人の口座から預貯金を引き出すなど、一定の行為が必要となるかと思います。
後でもめないために
考えたくもないでしょうが、この項を読む間だけは一緒に考えて下さい。
植物状態になったご家族が亡くなった場合です。
介護のため、自宅を改装したり、介護サービスにかかる費用、紙おむつ等の日用品から入院費などがかかります。
これらを全て、ご家族の口座から捻出していた場合、他の相続人はどう思うでしょうか。
横領だと訴えられるケースも
植物状態となったご家族が流暢にお話できるケースは少ない、と考えて良いでしょう。
こうなると、いくらご家族のためとはいえ、あなたが行った行為は「横領」と批判される可能性があります。
実際に支出し、面倒を見てきたあなたには酷ですが、実際に訴えられたケースも。
帳簿、領収書は死守して!
ご家族のための支出とはいえ、自分の資産ではありません。
自分以外の他人が持つ資産を使う以上、誰が見てもわかるように記録をつけ、請求書や領収書等の書類は死守しましょう。
社会は理不尽なものと割り切り、もしもの時に備え、自己防衛に努めましょう💪
まとめ
病気やケガは、突然やってきます。
日頃から備えているつもりでも、いざとなると何もできない事も間々あります。
だからこそ、できる備えは後回しにせず、不安を感じたらすぐに叩く!くらいのスピード感は大事にしていきましょう。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。