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当ページでは、働きながら能力開発、キャリアアップしたい人を支援する制度「教育訓練給付金制度」の対象となる人、講座、給付額をご紹介します。
Contents
- 筆者プロフィール
- 教育訓練給付金とは
- 1.一般教育訓練
- 2.特定一般教育訓練
- 3.専門実践教育訓練
- (1)業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す養成施設の課程【訓練期間原則1-3年、かつ、取得に必要な最短期間※)】
- (2)専門学校の職業実践専門課程及びキャリア形成促進プログラム【訓練期間2年※】
- (3)専門職大学院【訓練期間2年※】
- (4)職業実践力育成プログラム【正規課程は訓練期間が1年以上2年以内、特別の課程は訓練時間が120時間以上かつ訓練期間が2年以内】
- (5)情報通信技術に関する資格取得を目標とした課程【訓練時間が120時間以上(ITSSレベル4相当以上のものに限り30時間以上)かつ期間が2年以内】
- (6)第四次産業革命スキル習得講座(訓練時間が30時間以上かつ期間が2年以内)
- (7)専門職大学・専門職短期大学・専門職学科の課程【大学:4年以内、短期大学3年以内】
- 専門実践教育訓練給付金
- 対象者
- 支給額
- 専門実践教育訓練給付金を受ける前にも
- 専門性を高め、更に上を目指したい人は
- 効果的な教育訓練を受けるためのポイント
- キャリアアップに活用したい教育訓練給付金制度 まとめ
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
やぎ座のO型。
榊原行政書士事務所 代表を務めるかたわら、日常の疑問・悩みに効く情報を発信しています。趣味は、写真を撮ること、神社巡り。
教育訓練給付金とは
教育訓練給付金は、雇用保険制度の1つです。
一定条件を満たす雇用保険の一般被保険者、または、一般被保険者だった離職者が対象です。
対象となる講座は、厚生労働大臣の指定を受けたもので、対象者がこれを自己負担で受講した場合に、入学料や受講料などの一部を、ハローワークから支給される制度です。
教育訓練講座は、次の3つに分けられます。
- 一般教育訓練
- 特定一般教育訓練
- 専門実践教育訓練
1.一般教育訓練
一般教育訓練は、簿記検定、TOEIC、履修証明プログラム、修士課程を目指す講座など、働きながら職業のスキルアップを支援する教育訓練として、厚生労働大臣が指定したものをいいます。
対象講座はこちらから確認できます。
一般教育訓練を受けた対象者が、すべての訓練を受講し、修了した場合、本人が支払った教育訓練経費の20%、上限10万円まで支給されます。
対象者
対象となるのは、次のいずれかに該当する人です。
(1)雇用保険の一般被保険者等
(2)雇用保険の一般被保険者等であった人
(1)(2)いずれの人も、過去に教育訓練給付金を受けたことがなく、初めて受給しようとする場合、支給要件期間が1年以上あれば受給可能です。
支給額
教育訓練経費の20%(上限額10万円)
ただし、4,000円を超えない場合には支給されません。
2.特定一般教育訓練
特定一般教育訓練とは、次のものをいいます。
(1)業務独占資格、名称独占資格、必置資格に関する養成課程 または これらの資格取得を訓練とする課程
業務独占資格は、医師や税理士など、資格を持たずに業務を行うことを法令で禁止している資格をいいます。
名称独占資格は、○○士など、実際に資格を持たない人が名称を使用することを、法令で禁止されている資格をいいます。
必置資格は、法令により業務のために配置することが義務づけられている資格です。
(2)情報通信技術に関する資格のうちITSSレベル2以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする課程
情報通信技術関係の資格のうち、ITスキル標準において、「上位者の指揮のもと、要求された作業を担当することができる」とされているレベル2以上の資格を目標とした課程をいいます。
(3)短時間のキャリア形成促進プログラム及び職業実践力育成プログラム(60時間以上120時間未満の課程)
専門学校において、企業などと密接な連携により、最新の実務知識などを身に付けられるよう、教育課程を編成したものとして文部科学大臣が認定した課程。
大学等における社会人や企業などのニーズに応じた実践的・専門的なプログラムとして文部科学大臣が認定した課程等をいいます。
訓練前にキャリアコンサルティングを受けて!
特定一般教育訓練給付金を受けるためには、専門の研修を受けた「訓練対応キャリアコンサルタント」による訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があります。
このコンサルティングでは、就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載した「ジョブ・カード」の交付を受けることができ、受講開始日の1か月前までにハローワークで手続きを行います。
訓練対応キャリアコンサルタントは、どこのハローワークにもいるわけではないため、最寄りのハローワークに問い合わせましょう。
対象者
対象者は、次のいずれかに該当する人で、厚生労働大臣が指定する特定一般教育訓練を修了した人です。
(1)雇用保険の一般被保険者
(2)雇用保険の一般被保険者だった人
(1)(2)とも、過去に教育訓練給付金を受けたことがなく、初めて特定一般教育訓練給付金を受給しようとする場合、支給要件期間が1年以上であれば受給可能となります。
支給額
教育訓練経費の40%(上限額20万円)
ただし、4,000円を超えない場合は支給されません。
3.専門実践教育訓練
専門実践教育訓練とは、中長期的なキャリア形成に資する専門的・実践的な教育訓練として、厚生労働大臣が指定した教育訓練を指し、次のものが指定されています。
(1)業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す養成施設の課程【訓練期間原則1-3年、かつ、取得に必要な最短期間※)】
※法令上の最短期間が4年の管理栄養士の課程 及び 法令上の最短期間が3年の養成課程であって、定時制により訓練期間が4年となるものを含みます。
具体的には、看護師、介護福祉士、保育士、建築士など、業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す課程のうち、国又は地方公共団体の指定等を受けて実施され、修了によって資格取得、資格試験の受験資格の取得又は資格試験の一部免除が可能となる課程のことをいいます。
(2)専門学校の職業実践専門課程及びキャリア形成促進プログラム【訓練期間2年※】
※キャリア形成促進プログラムは120時間以上2年未満です。
工業、医療、商業実務など、専修学校の専門課程のうち、企業等との密接な連携により、最新の実務知識などを身につけられるよう教育課程を編成したものとして、文部科学大臣が認定した課程、大学等における社会人や企業などのニーズに応じた実践的・専門的なプログラムとして文部科学大臣が認定した課程をいいます。
厚労大臣の指定したものではなく、「文科大臣」が「認定した課程」なんですよね。
(3)専門職大学院【訓練期間2年※】
※資格取得につながるものは、3年以内で取得に必要な最短期間を指します。
高度専門職業人の養成を目的とした課程のことをいいます。
(4)職業実践力育成プログラム【正規課程は訓練期間が1年以上2年以内、特別の課程は訓練時間が120時間以上かつ訓練期間が2年以内】
大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の正規課程及び履修証明プログラムのうち、社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラムとして、文部科学大臣が認定した課程をいいます。
(5)情報通信技術に関する資格取得を目標とした課程【訓練時間が120時間以上(ITSSレベル4相当以上のものに限り30時間以上)かつ期間が2年以内】
ITスキル標準(ITSS)において「要求された作業を全て独力で遂行する」ことができることとされているレベル3相当以上の資格取得を目標とする課程
(6)第四次産業革命スキル習得講座(訓練時間が30時間以上かつ期間が2年以内)
高度IT分野等、将来の成長が強く見込まれ、雇用創出に貢献する分野に関する社会人向けの専門的・実践的な教育訓練講座(ITスキル標準レベル4相当以上)として経済産業大臣が認定した課程をいいます。
(7)専門職大学・専門職短期大学・専門職学科の課程【大学:4年以内、短期大学3年以内】
学校教育法に基づく専門職大学若しくは専門職短期大学の正規課程、大学設置基準に基づき設置された専門職学科の課程、短期大学設置基準に基づき、短期大学に設置された専門職学科の課程をいいます。
専門実践教育訓練給付金
専門実践教育訓練給付金は、労働者の中長期的なキャリア形成を支援するための制度です。
専門的・実践的な訓練が対象となるため、給付率は一般教育訓練給付より高く、訓練の修了後、資格を取得し、修了から1年以内に一般被保険者等として雇用された場合、追加での支給も受けられます。
また、一般教育訓練給付金・特定一般教育訓練給付金は、教育訓練が修了してから支給申請を行いますが、専門実践教育訓練給付は、訓練期間中6か月ごとに支給申請を行うので、教育訓練期間中から支給を受けることができます。
対象者
次の(1)または(2)のいずれかに該当する人で、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を修了する見込みをもって受講している人、実際に修了した人です。
(1)雇用保険の一般被保険者等
専門実践教育訓練の受講開始日に、支給要件期間(同一の事業主に一般被保険者等又は短期雇用特例被保険者として雇用された期間)が3年以上(※)ある人
(2)雇用保険の一般被保険者等だった人
一般被保険者等の資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であり、かつ、支給要件期間が3年以上(※)ある人
(1)(2)いずれの場合も、過去に教育訓練給付金を受けたことがなく、初めて専門実践教育訓練給付金を受給しようとするかたについては、支給要件期間が2年以上あれば受給可能となります。
支給額
教育訓練経費の50%(上限額40万円/年)
ただし、4,000円を超えない場合には支給されません。
給付期間は最大3年間で、6か月ごとに支給申請を行う必要があります。
受講修了後、受講した訓練が目標としている資格を取得し、修了日の翌日から1年以内に一般被保険者として雇用された場合、追加で、訓練経費の20%が追加支給されます。
この場合、支給額合計は最大で訓練経費の70%(年間上限額56万円)です。
専門実践教育訓練給付金を受ける前にも
専門実践教育訓練給付金を受けるには、専門の研修を受けた「訓練対応キャリアコンサルタント」による訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があります。
ここでは、就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載した「ジョブ・カード(※)」の交付を受け、受講開始日の1か月前までにハローワークで手続きを行う必要があります。
専門性を高め、更に上を目指したい人は
専門実践教育訓練給付の受給資格をもっている人のうち、受講開始時に45歳未満で離職している等の一定の条件を満たす場合、訓練受講を更に支援するため、「教育訓練支援給付金」が支給されます。
ただし、この「教育訓練支援給付金」は、令和6年度(2024年度)までの暫定措置なので、ハローワークにて最新の情報をご確認ください。
対象者
専門実践教育訓練給付の受給資格者のうち、次の条件も満たす離職者が対象です。
- 一般被保険者でなくなって1年以内に、専門実践教育訓練を開始する人
- 専門実践教育訓練の修了見込みがあること
- 専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満であること
- 受講する専門実践教育訓練が通信制又は夜間制ではないこと
- 受給資格確認時において離職していて、その後、短期雇用特例被保険者又は日雇労働被保険者になっていないこと
- 会社役員、地方自治体の長に就任していないこと
- 教育訓練給付金を受けたことがないこと(平成26年(2014年)10月1日前に受けたことがある場合は例外あり)
- 専門実践教育訓練の受講開始日が令和7年(2025年)3月31日以前であること
支給額
教育訓練給付金の日額は、次の通りです。
※基本手当(日額)=離職直前の6か月間の賃金総額÷180×80%から45%(上限規定あり)
支給期間
専門実践教育訓練の修了見込みをもって受講している間は、その教育訓練が終了するまで、継続して給付を受けることができます。
ただし、教育訓練支援給付金は、受給資格者が基本手当の給付を受けることができる期間中(※)支給されません。
※基本手当の給付を受けることができる期間は、実際に基本手当の支給を受けたかどうかに関係ありません。基本手当の受給期間内、かつ、基本手当の残日数の範囲内なら、基本手当を受けることができる期間となり、教育訓練支援給付金は給付されません。また、基本手当の待期の期間、給付制限期間中も、教育訓練支援給付金は給付されません。
効果的な教育訓練を受けるためのポイント
教育訓練給付制度は、1度利用すれば、一定期間をあけなければ次の支給を受けられません。
そのため、受講する訓練はよく検討し、実行に移しましょう。
後から悔やむことがないよう、特定一般教育訓練と専門実践教育訓練については受講前のキャリアコンサルティングが義務になっているんですね。
申請時に偽り・不正があった場合、給付金を受けられないだけでなく、返還額の2倍の金額を納付しなければなりません。
しかも、詐欺罪として刑罰に処せられることも…。
給付を受ける際は、しっかりと確認し、間違いのないよう気を付けて下さいね。
キャリアアップに活用したい教育訓練給付金制度 まとめ
当ページでは、キャリアアップに活用したい「教育訓練給付金制度」をご紹介しました。