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後見監督人が必要な場合と役割、選任手続を解説

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筆者プロフィール

榊原 沙奈さかきばら さな(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。

後見監督人とは

後見監督人は、病気や障害等により判断能力が低下した人を保護する「成年後見制度」の開始後、後見人のはたらきを監督する人をいいます。

後見制度の対象となる被後見人(面倒を見てもらう人)は、判断能力が低下しているため、後見人の不正・不当な行為を自ら制止することができません。

このため、被後見人をより確実に保護する目的から、後見人を監督する機関として後見監督人は存在します。

後見監督人の役割

後見監督人の主な業務は次の通りです。

  1. 後見人が欠けた場合の選任請求
  2. 急を要する事態への対処
  3. 利益相反行為の代表
  4. 財産調査への立会
  5. 債務に関する申出を受ける

1.後見人が欠けた場合の選任請求

後見人が欠けた場合、後見監督人は遅滞なく、新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求する義務を負います。

後見人が欠けた場合とは、辞任・解任、死亡等の理由によりいなくなる場合を指します。

2.急を要する事態への対処

急迫の事情がある場合、後見監督人は必要な処分を行わなければなりません。

例えば、被後見人の容態が急変し、治療に同意が必要なとき、後見人の判断を待たず後見監督人が対応します。

3.利益相反行為の代表

後見人またはその代表者と被後見人の利益がそう反する行為につき、後見監督人が被後見人を代表します。

原則、後見人は被後見人に代わり、様々な手続を行うことができますが、後見人自身と利益が相反する行為(代表的なのは遺産分割協議です)については、「特別代理人」を選任しなくてはなりません。

この場合の例外として、後見監督人がいる場合には特別代理人の選任は不要で、必要な手続を後見監督人が行うことになります。

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4.財産調査への立会

成年後見制度では、後見人が被後見人の資産状況を調査し、財産目録を作成します。

適切な財産管理のために不可欠な調査において、万が一不正があってはいけませんので、財産調査の段階から後見監督人が立ち会うことが義務づけられています。

後見監督人の立会なく行われた財産調査および財産目録の作成は、無効とされます。

5.債務に関する申出を受ける

後見人が被後見人に対し、金銭を貸すなど優位な立場にある場合、または、被後見人からお金を借りているなど、利益相反関係にある場合、財産調査に着手する前に、この事実について後見人から申出を受けなければなりません。

このことを黙ったまま後見を開始した場合、後見人が被後見人に対して持っている債権(上記の場合、お金を返してもらう権利)を失うことになります。

後見人の解任もできる

後見人による不正行為、著しい不行跡、その他後見の任務として不適切な事由がある場合、後見監督人は家庭裁判所に、後見人の解任を請求することができます。

後見監督人が必要な場合

後見監督人が求められるのは、次のような場合です。

  • 後見人と被後見人が利益相反関係にある場合
  • 後見人に対して不安がある場合
  • トラブルに発展する可能性がある場合

後見監督人の選任手続

法定後見監督人、任意後見監督人、いずれの場合も家庭裁判所が職権で後見監督人を選任します。

このため、後見監督人の選任を家庭裁判所に「家事(後見開始)審判申立書」を提出する必要がありますが、誰でも申立てができるわけではありません。

申立てができるのは次の人です。

  • 被後見人
  • 被後見人の親族
  • 後見人等

(1)法定後見監督人の選任手続の流れ

法定後見監督人の選任手続は、下記の流れで行われます。

  1. 「後見開始の審判」申立て
  2. 調査・鑑定
  3. 後見人・後見監督人の選任
  4. 後見事務の開始

(2)任意後見監督人の選任手続の流れ

任意後見監督人の選任では、あらかじめ「任意後見契約書」を交わします。

契約書に従い、任意後見を開始する際に任意後見監督人の選任を申立てましょう。

任意後見人、任意後見監督人それぞれの元に審判書が届き、1週間以内に不服申立てがなければ審判確定となります。

後見監督人になれない人

後見監督人になれるのは、下記の欠格事由に該当しない人です。

  1. 未成年者
  2. 家庭裁判所で法定代理人、保佐人、補助人として不適格とされた人
  3. 破産者
  4. 被後見人に対して訴訟をし、または、した人並びにその配偶者および直系血族
  5. 行方の知れない人
  6. 後見人の配偶者、直系血族および兄弟姉妹

後見監督人の報酬

後見監督人に対する報酬は、申立てがあったときに審判で決定されます。

法律で報酬額の基準が定められているわけではないため、裁判官が対象期間中の事務内容(財産管理および身上保護)、後見人等が管理する被後見人の財産の内容を総合考慮し、各事案において妥当な金額を算定して審判します。

弁護士、司法書士等の専門職が後見監督人に選任された場合、算定実例を踏まえた基本報酬額のめやすは次のとおりです。

  1. 財産管理額5000万円以下:月額1~2万円
  2. 財産管理額5000万円超:月額2.5万円~3万円

後見事務において、特別困難な事情があった場合、基本報酬額の50%の範囲内で付加報酬が発生します。

成年後見人等が複数選任されている場合、上記の報酬額を分担する事務の内容に応じ、適宜按分することになります。

参考文書

後見監督人の辞任

後見監督人は、正当な理由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、辞任することができます。

逆に言えば、家庭裁判所の許可を得られる「正当な理由」がない限り、辞任することはできません。

後見監督人が必要な場合と役割、選任手続 まとめ

当ページでは、後見監督人が必要な場合と役割、選任手続について解説しました。

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カテゴリー: 成年後見成年後見監督人未成年後見人


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