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自然災害債務整理ガイドラインの対象とメリット、手続の流れを解説

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当ページでは、自然災害等の影響によりローンの支払ができない人向けに、自然災害債務整理ガイドラインによる債務整理手続の対象、メリット、手続の流れを解説します。

筆者プロフィール

榊原 沙奈さかきばら さな(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。

自然災害債務整理ガイドラインとは

自然災害債務整理ガイドラインとは、債務者が自然災害の影響により、住宅ローン・リフォームローン等の既往債務を弁済できなくなった場合、債権者との合意により債務整理を行う「準則形私的整理」と呼ばれる債務整理方法です。

本ガイドラインの利用により、住宅ローン等を借りる被災者が法的な倒産手続(自己破産等)ではなく、金融機関との話し合いによるローンの減額・免除を受けられる可能性があります。

ガイドラインの対象災害

本ガイドラインの対象となるのは、東日本大震災および平成27年9月2日よりも後に災害救助法の適用を受けた自然災害です。

ガイドラインの対象「債務者」

ガイドラインに基づく債務整理を申出るには、下記のすべての要件を満たす必要があります。

  1. 住居、勤務先等の生活基盤や事務所、事業設備、取引先等の事業基盤等が災害の影響を受けたことが原因で、住宅ローン、事業性ローンその他の既往債務を弁済できない又は近い将来に弁済できないことが確実と見込まれること。
  2. 弁済について誠実で、その財産状況(負債を含む)を対象債権者に適性に開示していること。
  3. 災害発生以前に、対象債権者に対して負う債務につき、期限の利益喪失事由に該当する行為がなかったこと。ただし、当該対象債権者の同意がある場合はこの限りではない。
  4. ガイドラインに基づく債務整理を行った馬合、破産手続や民事再生手続と同等額以上の回収見込みがあるなど、対象債権者にとっても経済的な合理性が期待できること。
  5. 債務者が事業の債権・継続を図りたい事業者の場合、その事業に価値があり、対象債権者の支援により債権の可能性があること。
  6. 反社会的勢力ではなく、そのおそれもないこと。
  7. 破産法に規定される免責不許可事由に相当する事実がないこと。

ガイドラインの対象「債権者」

原則、金融機関です。

具体的には、特定調停手続による本ガイドラインに基づいた債務整理が成立した場合、このことで権利関係に変動が生じる債権者で、主に金融機関等(銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農業協同組合・漁業協同組合・政府系金融機関・信用保証協会・農業信用基金協会等およびその他保証会社)、貸金業法に定められる貸金業者(みなし貸金業者も含む)、リース会社、クレジット会社、既存の債権者から債権を譲渡されたサービサーも含みます。

ガイドラインの利用状況

自然災害債務整理の利用状況について、令和5年(2023年)12月末時点では次の通りです。

事案自然災害案件コロナ案件合計
1.登録支援専門家に手続支援を委嘱した件数1,220件2,440件3,660件
1-1.手続中の件数30件392件422件
1-2.特定調停の申立てに至っている件数6件24件30件
2.債務整理成立件数591件410件1,001件
参照元:「利用状況」|(一社)東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関

自然災害債務整理ガイドラインのメリット

自然災害債務整理ガイドラインによる債務整理は、債務者にとって次のメリットをもたらします。

1.費用が良心的

破産法・民事再生法に基づく債務整理において、申立費用(予納金等)は債務者が負担します。

申立てに際し、専門家の支援を受ければ報酬額も発生し、債務者は精神的なプレッシャーを負うことに。

これに対し、本ガイドラインに基づく債務整理の申出では、原則、費用不要。専門家報酬も不要となります。

ただし、特定調停の申立てをする場合には手数料および予納金等を負担する必要がありますが、一定要件をクリアすることで無料の取扱いを受けられることもあります。

2.信用情報機関に登録されない

破産法・民事再生法に基づく手続と異なり、本ガイドラインに基づく債務整理は「個人信用情報」として登録されません。

これにより、債務者が新たな借入を希望する際のハードルを低く抑えることができます。

3.財産の一部が手元に残る

破産手続を行った場合、債務者が手元に残せる財産の上限額は、原則、差押禁止財産を除いて99万円です。

いっぽう、本ガイドラインによる債務整理では、差押禁止財産のほかに現預金等500万円、家財保険金250万円をそれぞれの上限目安として運用されており、より多くの財産を手元に残すことができます。

破産法上、自宅は換価処分されますが、本ガイドラインでは債務者に「処分」または「温存」の選択肢が与えられます。

4.保証人への不請求

対象債務が金銭消費貸借等の場合、債権者は保証人に対し、保証債務の支払を求めるのが一般的です。

しかし、本ガイドラインによる債務整理を行う場合、原則、個人の保証人に対しての保証債務の履行請求は行われません。

自然災害債務整理ガイドラインを利用する際の手続

本ガイドラインの利用を希望する債務者は、下記の流れで手続を行います。

1.手続着手の申出

最も多額のローンを借りている金融機関(メインバンク)に対し、自然災害債務整理ガイドラインに基づく手続着手を希望する旨を申出ます。

申出を受けたメインバンクは、概ね10営業日以内に同意または不同意の意思表示を行いますが、対象債務者が要件を満たさないことが明白でない限り、不同意は許されません。

このため、債務者側で要件確認は慎重に行う必要があります。

2.登録支援専門家の支援依頼

メインバンクから同意を得られたら、登録支援専門家に支援を依頼します。

依頼は、(1)地元の弁護士会、(2)ガイドライン運営団体(一般車大法人東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関)を介して行います。

登録支援専門家の支援内容
  • 債務整理の申出
  • 債務整理の申出に必要な書類の作成および提出
  • 調停条項案の作成
  • 調停条項案の作成に係る利害関係者間の総合調整
  • 調停条項案の対象債権者への提出および説明等
  • 特定調停の申立てに係る必要書類の作成および申立て後、特定調停手続の終了までの手続実施

登録支援専門家は公正中立な立場とされ、対象債務者の代理人ではありません。

登録支援専門家を選ぶことはできません。

3.債務整理開始の申出

登録支援専門家の助けを借り、申出書・財産目録等の必要書類を作成し、債務整理の対象となる全ての金融機関等に債務整理の申出を行います。

これにより、債務の返済・督促は一時停止され、この期間中、債務者は新たな負債や担保の提供、一部債権者への弁済等が原則禁止とされます。一時停止の期間は、原則、債務整理の申出日から最大6か月間です。

債権者側は、担保権実行や破産法・民事再生法等の法的な破産手続開始の申立てが禁じられます。

4.調停条項案の作成

登録支援専門家の支援を受け、対象債権者との調停条項案を作成します。

調停条項案の内容には一定の制限があり、特に、個人事業主の場合は事業の見通し等も示さなければならないため、登録支援専門家への力を借りる場は多くなります。

調停条項案の提出期限は、原則、債務整理の申出から3か月以内ですが、一定の場合には延長が認められることもあります。

5.調停条項案の提出、説明

調停条項案を提出後、対象債務者は全ての対象債権者に対し、調停条項案の説明を行います。

提出を受けた大賞債権者は、説明を受けた日から原則1か月以内に同意または不同意を債務者に通知します。

6.特定調停の申立

期限内に全ての債権者から同意(同意見込みも含む)を得られた場合、対象債務者は簡易裁判所に対し「特定調停」の申立てを行います。

特定調停には、原則、債務者自身が参加する必要があります。

7.調停条項の確定

特定調停手続において、全ての対象債権者が調停条項案に同意し、特定調停手続が終了すれば本ガイドラインに基づく債務整理成立となります。

自然災害債務整理ガイドラインに関する質問

1.本ガイドラインと法的倒産手続との違い

破産法・民事再生法等の法的な破産手続では、裁判所が破産管財人、監督委員を選任し、裁判所が関与しながら手続を進めます。

いっぽう、本ガイドラインに基づく債務整理では、裁判所の関与は緩やかなうえ、当事者間の合意による債務整理が原則となります。

要するに、裁判上の手続よりも緩やかな手続である点で異なります。

2.災害の影響を証明する資料の提出

債務整理の申出直後、必要書類の1つに「災害の影響を証明する資料」が含まれます。

災害の影響を証明する資料は、直接的・間接的なものに分ける事ができます。

直接的なものは、被災によって家具が倒壊損壊または消失流失等したこと、事業者は事業設備等が倒壊損壊・消失流失等したこと。

間接的なものは、勤務先が被災したことで失業した又は給料が下がった、事業者の場合、取引先や顧客が被災したことで売上が下がったことなどが考えられます。

  1. 家屋、事業所、事業所設備等の倒壊損壊・消失流失等:罹災証明書、被災証明書等
  2. 勤務先の被災:勤務先等の罹災証明書、被災証明書等、過去の給与明細等

3.既往債務を弁済できないとは

既往債務を弁済できないとは、債務者が資力を欠いたために、災害発生前から負担している債務(既往債務)について、約束通りの返済ができいないうえ、この状況が今後も継続することが見込まれる状態をいいます。

これらの判断において、債務者の財産、収入、信用、債務総額、返済期間、利率等の支払条件や家計状況等を総合的に考慮しますが、法律上差押禁止財産とされる災害弔慰金等(被災者生活再建支援金、災害弔慰金、災害障害見舞金等)は、債務者の資産に含めません。

4.「破産手続や民事再生手続と同等額以上の回収見込みがあるなど、対象債権者にとっても経済的な合理性が期待できる」とは

破産手続や民事再生手続と同等額以上の回収見込みとは、対象債権者にとって、経済的な合理性が期待できることを意味します。

具体的には、(1)債務整理の開始段階で作成する調停条項案における民事再生手続と同等額以上の回収ができる可能性、(2)現在の資産を処分・換価して弁済する調停条項案における破産手続と同等額以上の回収ができる可能性が一定以上あることが求められます。

要するに、「債権者側が破産手続や民事再生手続を選んだ場合と比較し、損をさせないこと」を証明することになります。

5.登録支援専門家への依頼手続

債務者は、主な債権者に対し、本ガイドラインに基づく手続への着手申出を行い、同意を得た後で運営機関へ登録支援専門家の委嘱を求める必要があります。

個人事業主の場合、罹災等に伴い資料が滅失し、借入先ごとの正確な借入額がわからない場合は「概ね最大だと思われる対象債権者」をメインバンクと考え、申出れば足ります。

対象債務者は、債権者から受け取った同初書面を添付し、下記の団体を通じて運営機関に「登録支援専門家」を委嘱するよう依頼します。

  • 弁護士:日本弁護士連合会および弁護士会
  • 公認会計士:日本公認会計士協会および各地域会
  • 税理士:日本税理士連合会および各税理士会
  • 不動産鑑定士:公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会および不動産鑑定士協会

6.債務整理の申出に必要な書類

債務整理の申出に必要な書類は次の通りです。

  1. 住民票の写し
  2. 陳述書及び添付書類(給与明細書・源泉徴収票・課税証明書の写し等)
  3. 財産目録及び添付書類(預貯金通帳・証書の写し等)
  4. 債権者一覧表
  5. 家計収支表(直近2か月)
  6. 事業収支実績表(直近6か月、事業者の場合)
  7. 罹災証明書、被災証明書等

陳述書には、対象債務者が本ガイドラインに基づく債務整理を申出るに至った経緯などを記載します。

出典元等

関連リンク

自然災害債務整理ガイドラインの対象とメリット、手続まとめ

当ページでは、自然災害債務整理ガイドラインの対象とメリット、手続について解説しました。

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