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問30
宅建業者Aが、自ら売主として、宅建業者ではない個人Bとの間で宅地の売買契約を締結し、手付金を支払ったBが、宅建業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフにより、当該売買契約を契約締結の日の翌日に解除しようとしている。この場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
Contents
正解:4
1:正しい
クーリング・オフの意思表示は、必ず書面で行う必要があります(宅建業法第37条の2第1項)。
したがって、本肢は正しいです。
2:正しい
クーリング・オフの効力発生時点は、相手方に意思表示が「到達」した時です(宅建業法第37条の2第1項)。
したがって、本肢は正しいです。
3:正しい
クーリング・オフによる解除の場合、受領済みの手付金等は全額を返還しなければなりません(宅建業法第37条の2第4項)。
当該規定は、消費者保護の観点から置かれているものです。
したがって、本肢は正しいです。
4:誤り
クーリング・オフが認められるのは、法律に適合する「一定の場所」にて申込みをした場合に限られます。「一定の場所」とは、飼い主の自宅や勤務先以外の場所を指します(宅建業法第37条の2第1項)。
本肢では、Bが自らの申し出によりAの事務所において宅地の買受の申込んでおり、クーリング・オフによる当該売買契約の解除を行うことができません。
したがって、本肢は誤りです。
試験対策のポイント
試験対策として、下記のポイントをおさえましょう。
- クーリング・オフの適用条件
- クーリング・オフに必要な手続き
- 適用を受ける場合に負う義務
Q1. クーリング・オフの適用場所はどこか
A1.クーリング・オフが適用されるのは、顧客が契約の申込みをした場所が下記に該当する場合です(宅建業法第37条の2)。
クーリング・オフが適用される場所 | 事務所以外の場所 | 宅建業者の主たる事務所や従たる事務所以外の場所で申込みをした場合 |
顧客が不意に勧誘を受けた場所 | 自宅、ホテルのロビー、喫茶店、展示会場など、顧客が不意に勧誘され、冷静な判断を下すのが難しかったと認めっれる場所 | |
クーリング・オフが適用されない場所 | 宅建業者の事務所 | 宅建業者の主たる事務所または従たる事務所で申込みを行った場合 |
宅地建物の現地案内所 | 宅建業者が宅地または建物の取引を目的として設置した現地案内所において申込みを行った場合 | |
顧客が指定した場所 | 顧客が自ら指定した場所で申込みを行った場合、不意打ちとは言えず、適用外となる |
適用の可否は、申込みをした場所を基準に判断します。
そのため、実際に契約を締結したのが宅建業者の事務所等の場合でも、申込みが事務所以外なら適用される可能性がある点に注意しましょう。
Q2.クーリング・オフの効力発生時点はいつか
A2.クーリング・オフの効力発生時点は、書面による意思表示が宅建業者に到達した時点です(宅建業法第37条の2第1項)。
Q3.クーリング・オフの適用を受ける場合、手付金の取り扱いはどうか
A3.クーリング・オフの適用を受ける場合、宅建業者が受領した手付金は全額返還する義務を負います(宅建業法第37条の2第4項)。
Q4.事務所で契約を締結した場合、クーリング・オフは可能か
A4.認められる可能性があります。
クーリング・オフが適用されるか否かは、「申し込みをした場所」を基に判断します。
そのため、実際の締結場所が事務所であっても、申込みが事務所以外で行われた場合には、クーリング・オフの適用を受ける可能性があります。