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セルフメディケーション税制とは
「よく分からないまま申告したけど、あとから不安になった。」
そんな経験はありませんか?
このページでは、セルフメディケーション税制について、
- どんな制度なのか
- 何をするとどうなるのか
- 実際いくらお得なのか
を、なるべくシンプルにご紹介します。
そもそも何のための制度?
セルフメディケーション税制とは、市販薬(OTC医薬品)を使い、病院にかからず自宅でケアする人を支援する減税制度です。
たとえば、
「風邪気味で病院に行くほどではないけど、薬を買った」
「目薬や湿布、胃薬などは市販で揃えている」
このような人は、対象の市販薬を年間12,000円以上購入しますと、それを”超えた金額分”を課税所得額から差し引くことができます。
医療費控除との違いは?
医療費控除 | 通院や治療費、交通費まで含む 年間10万円以上の医療費がかかった人が対象で、最大200万円まで控除が受けられる ※総所得金額が200万円未満の場合、総所得金額の5%まで |
セルフメディケーション税制 | 市販薬のみが対象 年間12,000円以上の場合に、最高88,000円まで控除できる |
両者を併用することはできず、どちらか一方を選ぶ必要があります。
どれくらいお得になるの?
控除額が増えても、税金から丸ごと引かれるわけではなく、課税所得から引かれるため、実際に戻るのは数百円~数千円程度の場合もあります。
たとえば、市販薬の購入額が年間24,725円の場合。
→ 控除対象:24,725円-12,000円=12,725円
→ 所得税率10%の場合:約1,272円
→ 住民税率10%:約1,272円
→ 合計:約2,544円の減税・還付
たったそれだけ?でも―
実際のところ、医療費控除の対象にならない年でも、「市販薬をちょこちょこ購入している」という人は多いのではないでしょうか。
私自身、はじめは「18,000円分も薬なんて買う?」と半信半疑でしたが、風邪薬や胃薬、目薬、アレルギー薬など、該当品を1年で積み重ねた結果、届きました。
そして、控除で戻ってきたのは「インコたちのご飯代」でした。
🎯 対象となる薬と人
どんな薬が対象になるの?
セルフメディケーション税制の対象になるのは、「特定の市販薬(OTC医薬品)」のみです。
対象かどうかは、以下のいずれかで確認することができます。
- パッケージに「セルフメディケーション税 控除対象」マークがある
- レシートに「★」や「税控除対象」などの印字がある
- 厚生労働省の一覧表で、成分ごとに確認できる
→対象品目一覧(令和6年4月1日時点 / 成分ごと品目標

💡 風邪薬・胃薬・湿布・アレルギー薬・目薬・整腸剤など、意外と多く含まれています。
誰が対象になるの?
以下のすべてに当てはまる人が対象です。
- 所得税、住民税を納めている(=一定以上の収入がある)
- その年に「健康診断や予防接種」などの健康維持活動を行っている
(職場の定期健診・人間ドック・市区町村のがん検診など) - その年に「医療費控除」を受けていない
※健診を受けていないと使えない点は、意外と盲点です。
👤 会社員・公務員なら職場の健診で自然と条件クリアしている人が多いです。
👤 自営業・フリーランスの方は、自分で健診や予防接種を受ける必要があるのでご注意を。
🧾 手続きと必要書類
確定申告が必要です
セルフメディケーション税制は、年末調整で行うことはできません。必ず、確定申告が必要です。
提出時に用意するものは、主に以下の通りです。
- 確定申告票(第一表・第二表)
- セルフメディケーション税制の明細書
→薬の購入日・金額・対象品目の一覧を記載 - 健康診断等を受けた証明書の写し
→結果通知書、予防接種済証、健診の領収書など
💡 レシートの原本は提出しないのが原則ですが、申告から5年間の保管義務があります。薬を買ったら「セルフメディケーション税制」マークがあるか確認し、日付ごとに分けて保管しておくと後がラクです。
⚠ 注意点と選び方のコツ
医療費控除との併用はできません
セルフメディケーション税制は、医療費控除とどちらか一方しか選べません。
つまり、年間の医療費が10万円以上かかっている場合、医療費控除のほうが得になる場合があります。
どちらを選ぶべきか迷ったら
医療費控除 | 医療費合計ー10万円 | 医療費10万円超ならOK ※年収200万円未満は5% |
セルフメディケーション税制 | OTC医薬品合計ー12,000円 | 12,000円超ならOK |
例:
医療費:20万円(うち市販薬5万円)
→ 医療費控除:20万 − 10万 = 10万円
→ セルフメディケーション税制:5万 − 12,000円 = 38,000円
→ この場合は、医療費控除のほうが得になります。
レシートを保管する
セルフメディケーション税制の適用を受けるには、購入したOTC医薬品の領収書(レシート)を添付する必要があります。
しかし、実務上は領収書を丸ごと提出するわけではなく、領収書の内容を「セルフメディケーション税制の明細書」という用紙に記載することになります。この際に使用した領収書は、申告期限から5年間の保管義務を負うため、破棄しないよう注意しましょう。
原則、確定申告の期限は2月16日から3月15日ですが、還付申告の場合、前述の期限から5年間は行うことができます。
終わりに:やってみてわかったこと
セルフメディケーション税制は、はじめは面倒に見えるかも知れません。
私も「出してみたけど、これで合ってる…?」と不安でした。
けれど、制度を知っているとほんの数千円の控除でも生活の助けになります。
私の場合、インコたちのご飯代程度の還付を受けられ、申告してよかったと思えました。
必要な人に、必要な制度・情報が届きますように。
この記事が小さくても助けになればうれしいです。