行政書士試験の重要論点、対策を考察する

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当ページでは、行政書士試験における重要論点を考察する。

行政書士試験とは

行政書士試験とは、行政書士に求められる法的知識、実務能力を確認するために実施される国家試験である。

(1)受験資格

年齢、学歴、国籍等を問わず、誰でも受験可能。

(2)試験日

毎年11月の第2日曜日

(3)出題範囲

出題範囲は下記の通り。

行政書士の業務に関し必要な法令等
(全46問)
・憲法
・行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法および地方自治法を中心とする)
・民法
・商法
・基礎法学
行政書士の業務に関し必要な基礎知識
(全14問)
・一般知識
・行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
・情報通信、個人情報保護
・文章理解

(4)出題形式

行政書士試験は筆記により行われ、択一式および記述式で構成される。

(5)合格基準

下記をいずれも満たした者を合格とする。

  1. 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50%以上である者
  2. 行政書士の業務に関し必要な基礎知識科目の得点が、満点の40%以上である者
  3. 試験全体の得点が、満点の60%以上である者

(6)受験手数料

10,400円

地震、台風等の天災による場合を除き、払込んだ受験手数料は返還されてない点に注意。

行政書士試験の全体像

行政書士試験では、「憲法」「民法」「行政法」「商法」「基礎法学」等の法令科目と、政治・経済、社会、情報通信、文章理解で構成される「一般知識」で構成される。

(1)出題傾向

出題傾向は下記の通り。

行政法行政書士試験中、最も配点が高く、60問のうち約3割を占める詳細は後述
民法例年20問程度出題される
憲法例年5問程度出題される
条文理解に限らず、判例の読込が必要
会社法例年2~3問出題される
各法人の機関設計、資本の増減、設立・解散、運営が頻出
商法商人の定義、取引規定、商号等の基本的な内容が頻出
一般知識例年14問出題される
最低得点ライン(6問正答)の設定があるため、対策が必要
政治経済の基本的な仕組み、自自問痔亜
インターネットの基礎知識、デジタル技術の発展、個人情報保護法関連
長文読解では、文章の主旨・要点理解が必要

重要論点一覧

行政書士試験における重要論点を科目ごとに考察する。

1.行政法

行政法は、行政書士試験のメインであり、最も出題数が多く、合否に直結する科目だといえる。

(1)行政行為

行政行為とは、行政機関が一方的に行う意思表示を指し、法的な効果を伴う。

具体的な権利義務を定めるものとして重要視され、行政書士試験において頻出でもある。

公定力1度成立した行政行為は、違法であっても否定されるまで有効となること
不可争力行政行為の効力について、一定期間の経過により争うことができなくなること
取消しと撤回取消し行政行為に瑕疵があった場合、遡及的に無効とする行為
裁判所が行うほか、行政庁により自ら取消される場合あり
撤回適法に成立した行政行為について、事情の変更等に伴い、行政庁が一方的にその効力を失わせること

(2)行政手続法

行政手続法とは、行政機関が行政処分を行う際のルール・手続を定めた法律を指す。

出題頻度がかなり高く、条文の正確な理解が求められる。

処分基準行政庁が処分を行う場合、あらかじめ定めた基準に従う必要がある
→処分基準の設定・公表について問われることが多い
申請に対する処分許認可等の申請に対し、どのような手続を経て、どのような処分を行うかを問われる
聴聞と弁明の機会の付与行政庁は不利益処分に先立ち、聴聞・弁明の機会の付与を義務づけられる
→双方を与えるべき場面の違いが問われる

(3)行政不服審査法

行政不服審査法とは、行政庁の行為に不服がある場合、訴訟を提起する前に行政機関に対し、不服を申立てる際のルール・手続を定めた法律である。

審査請求行政庁の行為に不服がある場合、処分を行った行政庁の上級行政庁に対し、当該処分の取消し・変更を求める制度
→審査請求の手続、期間に関する出題が多い
再調査の請求審査請求の前段階として、処分を行った行政庁に再調査を請求する制度
→再調査の請求の適用範囲、審査請求期間の延長など再調査の請求を行うことで生じる手続上の変化が頻出
苦情処理不服申立てとは異なり、行政機関に対し、意見・苦情を述べる制度
→苦情処理の目的、行政不服審査法における位置づけを問われる傾向にある

(4)行政事件訴訟法の訴訟類型

行政事件訴訟法とは、行政行為を裁判所で争う際のルール・手続を定めた法律を指す。

行政書士試験では、主に取消訴訟について問われる。

取消訴訟行政行為に対し、取消しを求める訴訟類型
→原告適格、訴えの利益が頻出
義務付け訴訟・差止訴訟行政庁が特定の処分を行うよう義務付けるものと、違法な行政行為を差止める訴訟類型
→行政事件訴訟の形態、それぞれの要件と具体的な適用範囲、他の訴訟類型との違いが頻出
国家賠償請求行政機関の違法行為により損害が生じた場合、国や地方公共団体に対し、賠償請求を行う制度
→国家賠償法と併せ、出題される傾向あり

(5)国家賠償法

国家賠償法とは、行政機関の違法行為により損害が生じた場合の責任関係について定める法律で、主に下記が問われる。

公権力の行使による損害賠償公務員が職務を行う際に違法行為を行い、これにより他人に損害を与えた場合
→故意・過失の有無について頻出
営造物に関する責任公共の建物・施設の設置、管理にともない損害を与えた場合
→営造物の欠陥に関する具体例が頻出

(6)行政裁量

行政裁量とは、行政機関が法の枠内で何らかの決定をする際に許される「余白」を指す。

裁量行為と限界採用の範囲を超えて行った処分の適法性、裁量の逸脱・濫用について頻出
裁判所の関与裁判所が行政裁量の適法性を判断する際の基準について頻出

2.民法

行政書士試験では、民法について幅広く問われる。

(1)基本的な概念

権利と義務権利義務の定義、相互関係に関する基礎
実例を基にした問題では、特定の権利が行使される際に負う義務などが頻出
法律行為法律行為の種類・効力、意思表示の要件等
意思表示の効果、無効・取消しの要件を問われることが多い
無効
取消し
無効と取消しの違い、各要件
具体的な事例を用いた問題が多い
物件・債権物件の種類、物権的請求権、債権の履行・不履行など
所有権、抵当権に関し、具体的な問題が頻出
不法行為不法行為の要件
具体的な事例をもとに責任の程度を問われる問題が多い
公序良俗公序良俗に反する行為、法律行為が無効となる場合など
信義則信義則に基づく行動の必要性、取引時の誠実義務に関する内容が頻出

(2)契約法

民法のうち、特に重要項を占めるのが契約法であり、様々な角度から出題される。

契約の成立契約の成立要件、法律行為の要件など
意思表示、代理による契約成立が頻出
契約の種類売買契約、請負契約、委任契約、賃貸借契約などの類型
各契約の特徴と法的効果、契約解除と履行に関する問題が頻出
契約の履行契約の履行に関する義務と方法、履行遅滞など
履行遅滞による損害賠償責任、履行不能に該当する場合などが頻出
契約の解除契約解除の要件、必要な手続、解除後の効果など
契約不履行、詐欺・強迫などの解除事由に関し、具体的な問題が多い
損害賠償契約違反に伴う損害に関し、損害賠償を請求できる要件、計算方法など
損害の範囲、因果関係が頻出
特約・約款条件付きの契約、約款の有効性など
消費者契約に関する特約について、有効無効を問う問題が増加傾向
契約の変更契約変更の要件など
契約の変更が認められる場合、変更後の効力が頻出

(3)物権法

行政書士試験において、物件の種類・内容、物権変動に関する問題が頻出である。

物件の種類・定義物件の種類、概念など
物件の定義、それぞれの特徴と権利関係が頻出
所有権所有権の内容、行使できる内容など
所有権が制限される場合などが頻出
物権変動物件の移転、設定に関する要件など
物件の移転方法、登記の効果、時効取得などが頻出
用益権用益権の特徴、権利行使の制限など
具体的な事例をもとに、行使の可否を問われる事が多い
担保権担保権の性質、設定要件、効力など
抵当権の実行、質権の取扱いなどが頻出
物権的請求権物権的請求権の内容、行使できる場合など
優先権物件や担保権の順位など
具体的な事例をもとに、複数の権利が設定された場合の優先順位等を問われることが多い

(4)不法行為

不法行為は、他者に損害賠償責任を問う際の基本法理を指す。

不法行為の定義、要件不法行為の定義、成立要件など
各要件について、事例を通じて正否を問われることが多い
違法性違法かどうかの判断基準について
正当防衛・緊急避難など、違法性阻却事由について問われることが多い
故意・過失故意・過失の概念、不法行為の成立に与える影響など
故意・過失の判断基準について、事例を通じて問われることが多い
損害不法行為により生じる損害の種類、範囲など
損害賠償請求における損害の立証責任、評価方法を問われることがある
因果関係損害と行為の因果関係を判断する基準、立証など
直接的因果関係・間接的因果関係が頻出
不法行為による責任不法行為に基づく損害賠償責任の種類、賠償範囲など
過失相殺、共同不法行為などが頻出
特別不法行為製造物責任、動産損害など
特別不法行為特有の要件、賠償責任の判断基準などを問われることがある

(5)家族・相続法

行政書士試験の法令科目のうち、家族法・相続法は出題数が多くないが、例年1~2問は出題される。

家族法婚姻・離婚・婚姻の成立要件、効力、無効や取消し事由など
・離婚の種類や手続、財産分与、慰謝料など
親子関係親子関係の成立要件、親権など
相続法相続の基本相続の概念、相続人の範囲など
遺言遺言の種類、効力など
相続財産・相続税・相続財産の範囲、評価方法など
・相続税の課税対象、申告期限など

3.憲法

行政書士試験において、憲法は例年3~5問程度出題される。

年度により変動するものの、全体の4~7%を占めるため、無視できない。

(1)基本的人権の保障

基本的人権の概念、種類・基本的人権の定義、憲法における位置づけ
・各権利の特徴、内容について
制約と保障基本的人権が制約を受ける条件、方法など
→公共の福祉、合理的な制約の基準などが頻出
特定の権利表現の自由、信教の自由、財産権などの具体的な内容、侵害された場合の救済措置など
判例基本的人権に係る重要判例、これに基づく法律の解釈などが頻出

(2)統治機関

統治機関とは、日本国憲法により設定される国の機関・権力を指す。

三権分立三権分立の意義、相互の関係性など
国会の構成・機能国会の構成、権限、運営に関する手続きなど
内閣の役割・権限内閣の構成、権限、内閣総理大臣の役割など
→内閣が政策決定を行うまでのプロセス、行政機関との関係性を問われる場合あり
司法機関の構成・機能最高裁判所をはじめとする司法機関の役割、権限、裁判の仕組みなど
憲法改正憲法改正に必要な手続、意義など

4.一般知識

(1)情報通信と個人情報保護法

情報通信情報通信の基本概念情報通信に関する基本的な定義、通信手段など
インターネットの仕組みインターネットの基本的な仕組み、通信プロトコルなど
情報通信関連法令電気通信事業法、著作権法、サイバーセキュリティ関連法などから出題
個人情報保護法個人情報の定義個人情報保護法における個人情報の定義、範囲
個人情報の取扱い個人情報の取得、利用、提供に関する原則、適正な取扱いなど
個人情報に関する義務個人情報取扱事業者が負う義務、個人情報保護に関する具体的な手続など
個人情報の第三者提供個人情報の第三者提供が認められる場合と手続など

(2)政治経済

政治政治制度政治制度、三権分立、地方自治制度など
政治思想政治思想と理論の特徴、影響など
選挙制度選挙制度、仕組み、投票権など
政治経済関連政治と経済の関連性、経済政策など
経済経済の基本概念経済の基本用語・概念など
市場の種類市場の種類、特徴など
経済政策財政・金融・公共政策など、政府の経済政策
国際経済国際貿易、為替、グローバリゼーションなど

試験対策と学習法

行政書士試験に向け、下記の対策をオススメする。

1.試験範囲の把握

行政書士試験に出題される科目を確認し、各科目の重要論点を整理する。

出題傾向を知るには過去問が適切だが、行政書士試験に関連するサイト等から最新情報を得るのも有効である。

重要論点をまとめたら、出題頻度の高い順にリストアップし、優先順位をつけることで進めやすくなるかと思います。

2.計画的な学習

重要論点を把握後、各科目にどの程度の時間をかけるかを具体的に計画する。

進捗に応じ、理解の浅いテーマは重点的に学習する必要があるため、全体的に余裕をもった計画の策定がポイントとなる。

3.学習方法

行政書士試験に向け、筆者が行った学習方法を下記に挙げる。

理論の理解各科目の基本概念、法律の趣旨を理解する
制定された目的等を知ることで、単なる暗記ではなく理解を促す
問題集の活用口コミ等を参考に、高評価の問題集を試す
最終的に自分と相性のいいものを見つけ、同シリーズのテキストを購入
反復学習1問にこだわらず、とにかく回転数を上げることを意識
暗記カード・ノート等は作らず、ひたすら過去問をまわす
フィードバック資格塾が実施する外部模試を活用し、実力を測定
弱点の把握、克服を繰り返す

4.体調管理

行政書士試験に限らず、試験に臨む際には体調管理が重要である。

筆者の場合、食事の時間が勿体ないと感じ、偏ったことは反省するが、1日最低6時間の睡眠時間は確保し、朝型の生活を心がけた。

また、定期的にジョギングを行い、血行促進・体力維持を目指した。

空き時間はすべて行政書士試験にあてていたが、息抜きに神社を散歩することもあった。

市中に遊びに出かけたり、自宅でだらけるのは気が引けますが、神社ならOKのルールを設けていました。

行政書士試験の重要論点を考察するまとめ

当ページでは、行政書士試験の重要論点を勝手に考察した。

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令和6年度 宅建試験を受験した感想、学習時間と方法、速報による採点結果

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本日、令和6年度宅建試験(正式名は「宅地建物取引士資格試験」)を受けてきた。

当ページでは、試験の感想、学習期間(時間)と方法、資格塾が発表した速報をもとに採点した結果を紹介する。

令和6年度宅建試験の問題と受検票

※実際の合否は11月26日(火)の合格発表後に追記する。

宅地建物取引士資格試験の概要

宅建試験の概要は下記の通り。
(出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験 | 宅建試験の概要

実施公告

原則、毎年6月の第1金曜日に下記の方式により発表

  1. 官報への掲載
  2. 一般財団法人不動産適正取引推進機構ホームページへの掲載

試験日

毎年1回、10月の第3日曜日において、午後1時~午後3時までの2時間
※登録講習修了者は、午後1時10分~午後3時までの1時間50分

科目・出題範囲

  • 権利関係に関する出題
  • 法令上の制限に関する出題
  • 税その他に関する出題
  • 宅建業法に関する出題
  • 免除科目

出題形式

50問・四肢択一式による筆記試験
※登録講習修了者は45問

受験資格

日本国内に居住する人であれば、年齢、学歴等に関係なく、誰でも受験可能※合格後の資格登録については一定要件を満たす必要あり(宅建業法第18条)

試験時間

120分
※科目免除者は110分

受験手数料

8,200円
※原則、払込後の返還には不対応

合格基準

概ね35点前後
※試験実施期間が公開するものではなく、直近に行われた試験結果より推測

宅建試験の免除制度

宅建試験では、下記の人を対象に試験問題のうち5問の解答を免除する制度がある。

  • 登録講習修了試験に合格
  • 登録講習終了日から3年以内

端的に言えば、一般の受験者より合格点が5点おまけされる制度で、不動産業に従事する人への適用を想定しているのだろう。

学習期間(時間)

宅建試験に向け、筆者が学習した期間をアプリ「集中」を使用し、計測した。

取り組んだ回数685回
総時間236.4h
平均学習時間1.5h/日
学習開始日令和6年5月10日

合格までの目安

一般的に、合格までに必要とされる学習時間は300h程度とされる(出典:宅建の勉強時間の目安は?平均勉強期間と最短合格するための勉強法を紹介! | 資格Times

1日の学習時間を1.5~2hで設定した場合、試験の約半年前から準備することで無理なく進められるのではないだろうか。

受験者ごとに必要時間数が異なるのは言うまでもありませんが、これらを調整し、選択することも含めて「受験」ですよね。

解答速報による自己採点の結果

令和6年10月20日(日)17:12時点において、最も多くの解答を公開していたサイトを参照した。

自己採点の結果は、35/50点だった(出典:宅建試験 解答速報 2024(令和6年度) | アガルートアカデミー

後述する合格点数から考えると絶望的なので、あまり期待せず合格発表の時を待ちます(´・ω・`)

宅建試験の合格点数について

直近の試験概要において、令和4年・5年度は36点、令和3年度は34%、令和2年度では38点(10月実施分)となっている(出典:result.pdf

合格点数が変動する理由は明かされていないようだが、各年度の平均点数から相対的に判断しているものと考えられる。

合格率でいうと13.1~17.9%で推移し、「高い(簡単)」とは言い難いですね。

受験までの取組

ここまで学習してきた内容・感触について勝手気ままに記述する。

学習内容について

はじめに購入した問題集に従い、下記に分類して行った。

  • 宅建業法
  • 権利関係・
  • 法令上の制限、税・その他

そもそもだが、宅建試験は全50問。例年だと構成は下記の通りだ。

  • 宅建業法…20問
  • 権利関係…14問
  • 土地計画法・建基法(「建築基準法」の略)等の規制法…8問
  • 税法、地価公示法等…8問

特にボリュームのある宅建業法から着手するのが得策だろうし、権利関係は日常的に取り扱うことを理由に後回しにしたが、試験対策の吉凶がわかるのは、いつだって合格発表時だ。

使用した資料

使用した資料は下記の2種類。

※いずれもリンク先は最新版

目聡い方ならお気づきかと思いますが…
1.テキストは購入していない
2.購入は去年なので、1年古い
という特徴があります😂

学習方法

何ら難しいことはせず、用意した問題集をひたすら回した。

はじめの1か月はiPadで、ノートアプリ「Goodnotes6」を使用。
しかし、出来高が目に見える方がモチベーションが保てると判断し、ルーズリーフへと変更した。

それから、50問×4(四肢択一なので)=200問を2時間で解ききる必要があるため、問題集1冊を終えるのにかかった日数と時間を記録した。

今日の試験では時間だけ余裕があったので、速度対策に関しては有効だったのだろう。

受験した感想

ここからは、受験の感想を好き勝手にお話しする。

受験した感想

まずは、お疲れ様でした。

今年5月に受験したITパスポート試験以来(筆記試験でいえば昨夏の社労士試験ぶり)の国家試験で高揚しすぎた反動か、試験後はどっと疲れたというのが率直な感想だ。

肝心な試験の内容について、難易度は高くなかったように思う。

35点見込みの筆者がこんな発言をするのもおかしいが、過去問に比べ、ややこしい出題は少なかったはず。にもかかわらず、合格絶望的という何とも不甲斐ない結果にやや落ち込んでいる。

男女比と年齢

試験の概要から、合格者の男女比は概ね6:4。
合格者の平均年齢は35歳なので、筆者と同年代がメインだとわかる。

ちなみに、受験者の職業で多い順に下記の通り。

  1. 不動産業
  2. 金融業
  3. 建設業
  4. 他業種
  5. 学生
  6. 主婦
  7. その他

専業者に限らず合格可能性はあることがうかがえる(出典:result.pdf

このような前知識を抱えて試験会場に向かったが、筆者の体感では、不動産業、他業種、学生の順に受験生が並び、男女比は2:8程度。
年齢について、年長者6割、同年代3割、若人が1割であった。

あくまで受験目的で足を運んでいるため、他者の年齢・性別などどうでもいいのだが、その場の雰囲気ってあるよねと思うので。

試験監督員

宅建試験の実施機関は「一般社団法人不動産適正取引推進機構」だが、恐らく、現役の宅建士で構成されているのだと思う。
このため、試験監督員はすべて宅建士である可能性が高い。

これまでに受けてきた国家試験は下記の通り。

  • 行政書士試験
  • 乙種危険物取扱者試験
  • 知的財産管理技能検定
  • ITパスポート
  • 社会保険労務士試験

いずれの試験でも監督員が資格者だとすれば、最も砕けた雰囲気だったのはITパスポート試験だが、今日の宅建試験はこれに次ぐラフさであった。

無根拠な推測です😂

もちろん、国家試験らしい硬度カタさもあった。

試験監督員の数は充分で、試験室まで迷う受験生はほぼいなかったように見えたのは、適切に配置された試験監督員のお陰だろう。

では、どこにラフさを感じたのかというと、試験監督員同士の伝達ミスと、試験前後に案内された注意事項の内容だ。
先に触れた受験生の構成についても、当該資格がどの層に需要があるかを手がかりになる。

こうした空気に触れられるところが、試験の良さだよなぁと思う。

受験の動機

最後に、筆者が宅建試験を受けた動機をお話して締めくくる。

端的に言えば、好奇心と不安解消が目的だ。

行政書士試験合格から5年、行政書士登録から3年。
今日までたくさんの方から言われてきたことがある。

「宅建試験は受けないの?」

ここに「行政書士(試験に受かった)なら余裕」と無責任なお墨付きまでいただくわけだが、行政書士試験と宅建試験は全く別物で、一方に受かれば他方も受かるといったルールは存在しない。

しかし、双方に共通する部分も多いため、行政書士試験への登竜門と考えるのは理解できる。

この発言は筆者に謎のプレッシャーと、宅建試験への苦手意識を増幅させる原因として付きまとったわけだが、行政書士業務を行う上で不動産に関わる場面もある。

例えば、農地法に基づく許可・届出や風営法に基づく許可等だ。

これらの手続を行う際、行政書士資格でも足りるのだが、単に手続に必要な知識だけでは、顧客対応が困難なこともある。

こんなときは伝家の宝刀「確認して折り返します」を繰り出すに限るが、血眼になって制度を調べるうち、筆者自身も色々気になるようになった。
これが受験を意識したきっかけである。

何かを学ぶのに動機なんてどうでも良く、合格すれば試験の得点なんてと思うのだが、自己採点の結果が絶望的なことを受け、ここは1つ、言い訳しておくかという心理がはたらいたことを懺悔しておく。アーメン。

令和6年度 宅建試験を受験した感想、学習方法まとめ

当ページでは、令和6年度宅建試験を受験した感想と学習方法をご紹介した。

関連リンク

システム手帳の使い勝手と選び方を解説

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当ページでは、システム手帳リフィルを8年愛用して感じている使い勝手と、システム手帳の選び方を解説する。

システム手帳とは

システム手帳とは、バインダーとリフィルをセットで使用する手帳をいい、下記のサイズが存在する。

区別リフィルのサイズ穴数
バイブルサイズ170-171mm×95mm6
ミニ6穴サイズ126-127mm×80mm
A5サイズ210mm×148mm
ミニ5穴サイズ105mm×61mm5
システムダイアリー140mm×82mm6
HB×WA5サイズ170mm×82mm8
6穴バインダー171mm×95mm6

システム手帳を選ぶメリット

10年近くシステム手帳を愛用する筆者が感じる「システム手帳を使用するメリット」は下記の通り。

  1. 長期的な付き合える
  2. サイズ展開が豊富
  3. 自由にカスタマイズできる
  4. 情報の取捨選択が容易

1. 長期的に付き合える

綴じ手帳の場合、あらかじめ定められた期間内の使用にとどまり、期間を満了すると丸ごと新調することになる。

一方、システム手帳の場合、新たなリフィルを差し込むことで何年も付き合うことができる。

「毎年買い替えたい!」というなら別だが、「気に入ったものと長く付き合いたい」と考える筆者にとって、この点はメリットだと言える。

2. サイズ展開が豊富

システム手帳のサイズ展開は非常に豊富である。

区別リフィルのサイズ穴数
バイブルサイズ170-171mm×95mm6
ミニ6穴サイズ126-127mm×80mm
A5サイズ210mm×148mm
ミニ5穴サイズ105mm×61mm5
システムダイアリー140mm×82mm6
HB×WA5サイズ170mm×82mm8
6穴バインダー171mm×95mm6

綴じ手帳にも複数の選択肢はあるだろうが、好きなタイプのリフィルを選べる点で、システム手帳に軍配が上がる。

月間・週間プランナー時間・情報の管理に最適
「月間」「週間」単位で記載できる
ToDoリスト時間・タスク管理に最適
日々のタスクについて、チェックボックス等により優先度や進捗をはかりながら管理できる
ノート無地、罫線、ドット、グリッド等の種類が存在し、自由に記入できる

3. 自由にカスタマイズできる

システム手帳の場合、バインダー、リフィルのサイズや種類を選べるだけでなく、自分の使いやすさを自由に追求できる。

具体的には、ページの先後を入れ替えたり、配布された用紙に穴を開けて挟むことも出来るほか、カード類や細々した紙類を持ち歩く場合には、ポケットを増設することも可能。

筆者は、診察券、会員証、名刺、領収書等の一時保管用にカードケースとポケットケースを増設しています。

外ポケットに雑多なものを収容

4. 情報の取捨選択が容易

システム手帳の場合、必要な情報のみを取捨選択することが容易な点もメリットだろう。

綴じ手帳の場合、あらかじめ定められた期間の終了に伴い、新調せざるを得ない。

こうなると、過去の情報を参照する必要が生じる度、古い手帳を持ち出して確認する羽目になる。

システム手帳ならリフィルの必要な箇所だけ抜き取り、新年度と綴じれば済むので、わざわざ転記したり複数の手帳を持ち歩く必要がない。

年度の途中でも使用頻度の低いリフィルを抜き、身軽になれるところもお気に入りです。

システム手帳を利用するデメリット

システム手帳を利用する際、下記はデメリットと言えるだろう。

  1. 情報量が増えるとかさばる
  2. 綴じ手帳に比べ、割高

1. 情報量が増えるとかさばる

システム手帳を利用する場合、綴じ手帳に比べ、バインダーやリング、収容するものにより嵩張ることがある。

例えば、月間タイプのリフィルは1年分で見開き13枚、週間タイプでは見開き1週間の場合で53枚。ここにノートタイプを足せば、そのぶん厚さ・重みが増すのは避けられない。

このため、より身軽に持ち運びたい場合には、サイズを小さくし、不要なものはこまめに除いておくことをオススメしたい。

筆者は、大事なことは月間ブロックに記載し、週間は1か月ごとに終了した月分から外しています。

2. 綴じ手帳に比べ割高

綴じ手帳の場合、手帳本体を購入するとすぐに使用することができる。

いっぽう、システム手帳の場合には、バインダーのほか、リフィルを購入する必要があり、手間と費用がかかる。

バインダーにこだわると、そのぶん値が張りますし、カスタムに凝るほど高額化しますよね。

システム手帳向きな人

下記に該当する場合、綴じ手帳と比較し、システム手帳が向いているだろう。

  1. 中長期的なスケジュールが多い
  2. 細かなタスク・メモ等、スケジュール以外の情報を一元管理したい
  3. いいものと長く付き合いたい
  4. カスタマイズしたオリジナルが好き

綴じ手帳向きな人

下記に該当する場合、システム手帳よりも綴じ手帳が向いているだろう。

  1. 毎年新調したい
  2. スケジュールのみシンプルに管理したい
  3. 自分にとって1冊目の手帳を探している
  4. お値打ち品を求めている

システム手帳の選び方

システム手帳を選ぶ際は、サイズ・質感を意識すると良いでしょう。

種類サイズ特徴
A5サイズH210×W148(mm)/6穴○書き込める量が多い
○A4資料を2つ折りで保管できる
△手帳自体が嵩張る
バイブルH170×W95(mm)/6穴○最も一般的なサイズ
○リフィルの種類が豊富
○取扱店舗が多い
△選択肢が多く、迷う
ナローH170×W80(mm)/6穴○スーツのポケットに収納できる
△バインダー・リフィルともに選択肢が少ない
ミニ6H126×W80(mm)/6穴○携帯に便利
○リフィルのサイズが豊富
△メインとしてはコンパクト
マイクロ5H105×W80(mm)/5穴○簡易メモとして便利
△バインダー・リフィルともに選択肢が少ない

※リングサイズにより収納できるリフィルの枚数が異なる点にも注意が必要

レザーの場合、手入れすると一生使用できるメリットがあるものの、手入れが面倒な人には手間がかかるためデメリットにも。

筆者のシステム手帳

筆者のシステム手帳は、下記の通り。

バインダーサイズA5(H230mm×W180mm)
リフィル種類月間ブロック
週間ブロック
仕切り付きクリアポケット
カードポケット名刺ホルダー
方眼ノート

筆者の手帳は行きずりの文具ショップで購入したもので、ブランド等は不明。

筆者のシステム手帳

ただし、リフィルは毎年「Bindex(バインデックス)」で統一している。

Bindex(バインデックス)とは

Bindexバインデックスとは、JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)のビジネス手帳ブランドである。

「時間」「情報」という2つの資源を最大限に活かすシステムを追求し、そのバインダとリフィルを好きに組み合わせることで、ユーザの目的・スタイルに合う手帳を作り出すことができる。

JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)とは

JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)とは、東京都中央区に本社を置く会社で、企業の人材育成支援と手帳・書籍の発行を行っている。

当社の発行する「NOLTYノルティ(旧名称は「能率手帳」)」という手帳が著名で、元々は当社のコンサルタントが使っていた手帳を会員向けに配布したのが始まりだったという。

クリアポケット内に仕切りがついているため、分類が容易

カードポケットは名刺サイズがフィットする6枚タイプ

月間、週間ダイアリーともにバインデックス

日曜始まりの年間スケジュールページ

各月のサイド縦軸にデイリー表記
週間ブロック(能率手帳タイプ)
週間ブロック全てに月間カレンダーがあるのも○
年間スケジュール

システム手帳(A5)の使い勝手と選び方を解説

当ページでは、システム手帳の使い勝手と選び方を解説した。

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行政書士事務所 開業時にオススメな事務機器5選

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興味があるものにはズドン!!とリソースを割くのに、その他は全くわからん極端人間が日々試行錯誤しながら取り入れているデバイス。

もちろん、導入の目的はちょっとした手間や不便の解消です。

今回は、私が愛用している事務機器を紹介しますので、これから開業するぞ!という方の参考になれば幸いです。

筆者プロフィール

榊原 沙奈さかきばら さな(90′)https://lit.link/otkgyosho
やぎ座のO型。
榊原行政書士事務所 代表を務めるかたわら、日常の疑問・悩みに効く情報を発信しています。趣味は、写真を撮ること、神社巡り。

外付けSSD

当事務所で使用しているパソコンは、いずれもSSDです。

SSDはSolid State Driveの略で、HDDと比べるとコンパクトかつ高速での処理が可能な記録装置です。

以前は、バックアップ用にUSBメモリスティックを使用していました。

これに対し、外付けSSDは「いま使える拡張ストレージ」のイメージです。

外付けSSDを使用するようになってから、画像・動画等の転送速度が上昇し、大幅な時間短縮がはかれるようになりました。

裏面

モバイルWi-Fi|MP02LN

出先で大きなデータを取り扱う機会も多く、セキュリティ面も気になる行政書士業務。

フリーWi-Fiの利用は、恐ろしくて未履修です😭

そのため、事務所とは別にモバイルWi-Fiを持ち歩いています。

モバイルWi-Fi|MP02LN

デメリットは、スマホが繋がりづらい駅構内において、モバイルWi-Fiまで不安定になること

充電器がTypeC非対応のため、2種類のコードを持ち歩く必要があることです。

より大きなデータを扱う場合は、固定回線の方が適切ですね😅

裏面は角度によって千鳥格子が浮かび上がる

プリンタ|MFC-J7100CDW

開業時、自宅用のDCP-J582Nを使用していましたが、A3サイズがプリントできないこと、処理速度に不満を抱き、こちらを購入しました。

Brother MFC-J7100CDW

届いたとき、あまりの大きさに一瞬ひるみましたが、前面・背面給紙対応、最大給紙枚数350枚。

カラー・白黒ともプリント速度は28枚/分、スキャナ、FAX対応の点で満足です。

DCP-J582Nは自宅用にするなら申し分ありませんでした😊✨

ディスプレイはタッチパネル機能あり
USB端子あり
インク収用部分

USB、スマホ、iPadからのプリントも問題なく行えています✨

シュレッダー|P5GCX

当事務所では、原則ペーパーレスを採用していますが、まだまだ紙類の使用が多いです。

第三者の目に触れて平気なものは資源ゴミ、個人情報が記載されているものはシュレッダーにかけます。

裁断した用紙回収時にこぼれるのを防ぐため、大きめなゴミ袋を使用

使用しているP5GCXは、稼働音がやや気になること、2分程度の運転で30分程度は休まなくてはならない程度にはスタミナがありません。

とはいえ、営業時間内(AM9:00-PM5:00)にこまめにカットしていれば問題ありません。

裁断済の用紙たち

容量は8.7L。A4サイズの用紙にして約65枚分。

袋を取り替える際、バラバラと紙くずが散らかるのが嫌なので、敢えて45Lのゴミ袋を入れ、2-3回分ためてから資源ゴミに出しています。

ホッチキスの針もそのままでOKとあるため、手間がかからず楽々です。

マイク|ZealSound

開業後、オンラインMTGやセミナー等、音声を扱う場面が意外と多いことに気がつきました。

パソコン・スマホ側のマイクの場合、雑音を拾ったり、膨張して聞こえるため、相手が聞き取りづらいこともあります。

そのため、ビデオ通話を行う際は、外付けのマイクを使用しています。

私が使用しているのは、コンデンサーマイクです。

ミュート、マイク・ヘッドホンの音量、エコーの強弱を調整する機能があり、USB・イヤホン端子対応なので、はじめてのマイクなら十分かと思います。

オンラインでのやり取りでは、映像・音声の乱れは、双方にとってストレスがかかります

対面ならスムーズに運ぶはずだったやり取りが、外部要因によってダメになるのは不本意ですよね…。

開業時は、なるべくコストを抑えたいところですが、ZealSoundのマイクは、良心的な価格に比し、十分な音質が確保できる店が気に入っています。

行政所事務所 開業時に揃えたいオススメの事務機器5選 まとめ

今回は、開業時に揃えたいオススメの事務機器を5つ ご紹介しました。

一部「事務機器…?」と困惑するアイテムもあったかと思うのですが、業務上、揃えておくと便利だと感じたので記載しました。

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