
本記事では、あなたの親御さんが亡くなるまでに考えておきたい事を10個、解説します。
何を考えれば良いの?
相続時に起きる問題の多くは、生前の準備で防ぐ事ができます。
しかし、「死」というデリケートな問題が前提であるため、親子間できちんと話し合いができている家庭は少数です。
お話が出来るか出来ないかはさておき、まずは、何を考えておけば良いのかを心に留めておきましょう。
考えておきたい10項目
次の通りです。
- 住まい
- 介護
- 病院
- 保険
- 治療方針
- 財産
- 葬儀
- 埋葬(お墓)
- 不要品の整理
- 遺言書の作成
住まい
住居について、下記の事を考えてみましょう。
- 最期は「自宅」と「施設」どちらで迎えたいか
- 不動産がある場合、誰に残したいか
- 老後に必要な資金は把握できているか
体調を崩したり、認知症になってからだと選択肢は狭まってしまいます。
最後を迎える場所に「自宅」を選んだ場合、後々の介護等に備えてバリアフリー化も検討しましょう。
不動産がある場合、現在の名義がどうなっているか確認したいところです。
先代が亡くなった際に手続をしておらず、現状と一致していない人も多くいます。
このような場合、相続手続で手間がかかりますので、きちんと変更してもらいましょう。
介護・医療
- どこで、だれの介護を受けたいのか
- 介護と医療に必要な費用、制度は把握しているか
- 突然倒れた場合の対策は講じているか
- 信頼できるかかりつけ医はいるか
- 臓器提供や延命治療、緩和治療などの選択肢に対し、希望はあるか
- 臨終の際、だれに、どこで看取って欲しいのか
- 医療保険や介護保険に過不足なく加入しているか
核家族化が進む現代では、高齢者の孤独死が問題となっています。
元気なうちは医療機関へ足を運ぶ事も少ないでしょうが、頼れるかかりつけ医を検討し、何かあったときにはすぐに対応できるよう、家族内でシェアしておきましょう。
万が一、余命宣告された場合には「延命」「緩和」の二択を迫られます。
本人がどちらを選ぶのか、元気なうちから打診しておくと良いでしょう。
持病がある場合、概算費用に備えて保険の見直しもしておくと安心です。
財産・遺品
- だれに、いくら残すか
- 必要な書類の準備、保管場所の共有はしているか
- 貸金庫、取引のある金融機関の口座情報、暗証番号など控えているか
- 不動産の名義は先代のままになっていないか
- 大切な物の処分方法を考えているか
- 人に見られたくないものはないか
意外にも、自分の財産を正しく把握できている人は少数です。
他人に財産調査を任せる事に抵抗を感じる人が多いため、本人が把握しておくよう勧めてみましょう。
財産がわかったら、誰に、どの程度を残したいかを具体的に検討できます。
もしも希望があるのなら、遺言書や信託契約等で備えます。
その他、本人が大事にしているものや、他人に見せたくないものがあれば、処分方法は検討しておくようにしましょう。
特定の人に処分を頼みたい場合、死後事務委任契約を結ぶ事が考えられます。
下記の動画で、自分で用意する遺言に必要な5つのポイントを43秒でお伝えしています。
葬儀とお墓
- 希望の葬儀・供養の方法に希望はあるか
- 参列してほしい人はいるか
- 喪主の希望と、本人への確認はしているか
- 宗派、お寺、葬儀社、戒名の希望はあるか
- 遺影は用意しているか
- お墓の購入費、維持費などの費用負担について
- だれと一緒のお墓に入りたいのか
- お墓の購入先、管理の希望はあるか
遠方にお墓がある場合、管理しやすくするために「改葬」「墓じまい」が考えられます。
葬儀の内容、参列者の希望がある場合には、きちんと情報共有を行いましょう。
まとめ
親が亡くなる前に備えておきたい10項目をお伝えしました。
- 住まい
- 介護
- 病院
- 保険
- 治療方針
- 財産
- 葬儀
- 埋葬(お墓)
- 不要品の整理
- 遺言書の作成
遺していく側も勿論ですが、遺される側も心配事は多いはずです。
本記事が、こうした不安を和らげる助けになれば幸いです。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。