
本記事では、日本政策金融公庫で融資を受けるために必要な条件と、メリット・デメリットについて解説します。
Contents
日本政策金融公庫って何?
日本政策金融公庫(にほんせいさくきんゆうこうこ)は、民間の金融機関を助ける目的を持つ国の金融機関です。
主に、国内の中小企業や小規模事業、農林漁業者などを支援しています。
日本政策金融公庫で融資を受けるメリットは?
・無担保、無保証でも大丈夫
・創業初期でも申込みやすい
・民間の金融機関より、返済スケジュールに余裕がある
民間の金融機関と比べ金利が低い
銀行や信用金庫と比較すると、日本政策金融公庫は金利を低めに設定しています。
利用する融資制度、契約内容により違いはありますが、金利の幅そのものが狭いのです。
例えば、開業時の申込み者が多い「新創業融資制度」では、年利率2.27~3.30%(※)を基準としています。
※令和5年5月1日時点です。
いっぽう、メガバンクのビジネスローンでは10%を超えるものもあります。
日本政策金融公庫の各制度 金利情報はこちらをご確認ください。
無担保・無保証でも大丈夫
資金調達の際、民間の金融機関から融資を受ける場合に、担保や保証人を求められる事があります。
創業時から潤沢な資金があれば別ですが、応じられる人ばかりではありません。
先ほども紹介した「新創業融資制度」は、無担保・無保証に加え、代表者個人には責任が及ばない制度を希望する事もできます。
例えば、一般的な無保証融資を法人名義で受ける場合、法人の代表者が連絡保証人となります。
しかし、新創業融資制度の場合、金利を0.1%上げる代わりに、代表者の連帯保証が不要となります。
融資希望額を踏まえて、金利や他制度を慎重に検討しましょう。
創業初期でも申込みやすい
通常、融資の審査では「信用」を求められます。
個人事業者が法人成りする場面なら、それまでの実績を提示する事で足ります。
が、初めての起業だと社会的信用はゼロです。
会社員としての経歴や、個人としての信用は、融資には全く関係がないのです。
この点でも、日本政策金融公庫は門戸が広く、民間の金融機関よりも申し込みやすい傾向にあります。
地方銀行や信用金庫で門前払いされたような事業者にとって、最大のメリットだといえます。
返済期間に余裕がある
民間の金融機関には、返済期間がタイトなものが見受けられます。
早いものだと1年から3年以内なので、明確な売上見込みが立っていないと厳しいものです。
いっぽう、日本政策金融公庫の融資制度には、非常に長い期間設定がされているものもあります。
ただ、気を付けてほしいのが「返済期限が長いほど返済総額は膨らむ事」です。
自己資金や事業計画含め、しっかりとしたシュミレーションを行ってから利用しましょう。
日本政策金融公庫で融資を受けるデメリットは?
・支店や担当者が選べない
審査期間が長い
具体的な審査期間は公表されていませんが、審査期間に1か月から2か月近くかかる事もあります。
この点、民間の金融機関では、2週間から1か月ほどの審査で済みますので、早期の資金調達を目指すのなら不適切だといえます。
実際に融資を受けたい時期が決まっているのであれば、早めに担当者へ相談しましょう。
支店や担当者を選べない
日本政策金融公庫から融資を受ける場合、自身で支店や担当者を選ぶ事はできません。
近親者から紹介を受ける事もできないため、実際に利用するまでは勿論、担当者が変更できない事はデメリットと言えるかも知れません。
というのも、日本政策金融公庫の店舗は各都道府県ごとに置かれ、納税地を基準に支店が決まります。
ご自身の納税地に近い店舗はどこなのか、こちらからご確認いただけます。
まとめ
本記事では、日本政策金融公庫で融資を受けるメリット、デメリットを解説しました。
メリットは次の通りでした。
・無担保、無保証でも大丈夫
・創業初期でも申込みやすい
・民間の金融機関より、返済スケジュールに余裕がある
反対に、デメリットもありましたね。
・支店や担当者が選べない
創業支援を通し、様々な経営者様のお手伝いをしてきましたが、融資≒借金とネガティブに捉える人もいます。
しかし、うまく利用すれば事業の早期安定や、社会的信用にも繋がります。
本記事が開業時の資金繰りを考えるきっかけや、調達の選択肢を拡げる材料になれば幸いです。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。