
本記事では、クラウドファンディングの種類と、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
Contents
クラウドファンディングって何?
クラウドファンディングは、資金調達のために事業内容を公開し、不特定多数に支援を求める仕組みをいいます。
「crowd(群衆)」+「funding(資金調達)」=クラウドファンディング(crowdfunding)
日本国内で行われるクラウドファンディングの多くは、インターネットを利用しています。
Webを媒介にする事でより多くの人に出資を募る事ができる上に、事業そのものの広告宣伝効果も期待できるのが特徴です。
クラウドファンディングの種類は?
代表的なものに次の3つがあります。
2.金融型
3.寄附型
購入型
購入型クラウドファンディングでは、「購入」という行動が重要視されます。
支援者は、出資の対価としてモノやサービスといったメリットを受け取る類型です。
ここから更に「All or Nothing型」「All In型」と枝分かれします。
- All or Nothing型:目標金額に達しなければ、支援を受けられない
- All in型:1人でも支援者がいれば、達成の可否に関わらず支援を受けられる
金融型
金融型には、「融資」「ファンド」「株式」等があります。
融資型
個人投資家から小口投資を募り、融資型の事業者が媒介となって、起案者へ融資するものです。
投資信託等を想像するとわかりやすいでしょう。
起案者は融資に対し、利息をつけて返済します。
投資家は、出資額に利息を上乗せしたモノを分配金として受け取ります。
ファンド型
出資者は、投資先の売上に基づき、分配金や特典を受け取ることができる類型です。
融資型とよく似ていますが、大きな違いは投資先の事業実績に応じて分配金を決定するところです。
つまり、分配金が変動するため、元本割れのリスクがあります。
株式型
株式型最大の特徴は、非上場企業に投資ができ、リターンとして株式が発行されるところです。
投資家から見ると、成長企業に投資できるチャンスであり、既に上場している企業より大幅な成長が期待できます。
いっぽう、株式型で取得した非上場企業の株式は自由に売買できません。
また、年間投資額に企業側は1億円、投資側にはひとつの企業50万円までの上限がある点には注意が必要です。
寄付型クラウドファンディング
寄付型最大の特徴は、支援者からの出資を「寄付」として受け取ることです。
基本的にリターンはありませんが、支援者は寄付金控除を受けられる場合がある点で募金と異なります。
社会課題や被災地域への支援に貢献できる事から、社会の一員だとの実感が得られる事もメリットだと言えます。
クラウドファンディングで資金調達をするメリットは?
・事業そのものの広告宣伝になる
・目的に沿った方法を選べる
・現金以外のリターンが設定できる
・テストマーケティングとしても活用できる
・ファン獲得に繋がる
・事業経験が浅くてもトライしやすい
個人間でやり取りができる
起案者が個人事業者の場合、銀行など民間金融機関からの資金調達には、高いハードルがあります。
クラウドファンディングなら、支援者側の賛同が得られれば資金調達ができます。
支援側にとっても、少額から出資ができるため、支援自体のハードルは低いといえます。
事業そのものの広告宣伝になる
支援を募る際、事業内容や目的などを開示する事から、一定の広告宣伝効果が期待できます。
目的に沿った方法を選べる
クラウドファンディングには、様々な種類がある事はお伝えしました。
自身の目的に沿った方法での資金調達が可能な事も、クラウドファンディングのメリットだと言えます。
現金以外のリターンを設定できる
資金のない起案者にとって、リターンを現金以外に設定できるのは大きな魅力です。
商品だけでなく、事業開始後の優待券なども設定できるため、開業直後の集客効果も期待できます。
テストマーケティングとしても活用できる
通常、新商品の販売にはテストマーケティングを行うのが理想です。
しかし、実際に行えるのは既に販路が拓けている大企業等に限ります。
クラウドファンディングでは、先に事業内容や商品を開示することで支援者の反応を見る事ができるため、テストマーケティングに近い効果が得られるのも魅力です。
ファン獲得に繋がる
クラウドファンディングの目標金額達成は、事業が受け入れられるかの1つの指標になります。
支援を集める際、うまくストーリーを繋げられれば、これに共感した支援者がファンになる事も。
支援者のリアクションから自身でも気づかない強みを見つけるチャンスにも繋がります。
事業経験が浅くてもトライしやすい
未経験の業界で事業を始める場合、資金調達だけでなく、起案者自身も試されます。
業界に突然飛び込む前に、自身の目標を前提に世間の反応を見られる点では、今後の経営に大きなヒントをもたらしてくれるでしょう。
クラウドファンディングで資金調達をするデメリットは?
・競合にアイディアを知られる
・一定の手間がかかる
・手数料がかかる
・リターンが負担になる
・目標金額を達成できない可能性がある
事業を中断できない
ある程度の資金が集まった段階での事業中断は、その後の不信感に繋がり、当該事業だけでなく企業としての存続が危ぶまれます。
出資金を募集する前に今一度、慎重に検討しましょう。
競合にアイディアを知られる
クラウドファンディングの実施により、競合他社がアイディアを知る事もあり得ます。
特に、自社より資金の潤沢な企業に知られた場合には、目標額を達成するコロに先回りされてしまうリスクも。
最新技術の開発等が目的なら、同時に、特許権や実用新案権の出願も検討しましょう。
一定の手間がかかる
支援を募るからには、具体的な事業計画や予算、見積もりなどを用意しなければ目標設定すらできません。
支援者側の立場で考えればわかる事ですが、具体性のない計画に支援しようとは思いませんよね。
また、選ぶプラットフォームによっては大変な手間を要します。
告知書やPRを他人に任せるつもりだとしても、初動は自身でこなす必要があるため、一定の手間は覚悟しておきましょう。
手数料がかかる
プラットフォーム利用に際し、集まった資金の10~20%ほどの手数料が引かれる事があります。
これを踏まえた目標額設定にすれば、当然の事ながらハードルも上がります。
また、募った支援金に対してのリターンにも一定程度の費用がかかるため、総合的な視点が必要となります。
リターンが負担になる
資金欲しさに、リターンを高く設定してしまった場合。
せっかく目標額を達成しても、初動で大きな負担がかかります。
あくまでも資金調達の一端だと考えたリターン設定を心がけましょう。
目標金額を達成できない可能性がある
当然ですが、目標金額を達成できない可能性があります。
この場合、自己資金を増やすか、別の方法を検討する必要があります。
開業時期に希望がある場合、クラウドファンディングを早期に開始するか、別の方法と並行して調達しましょう。
創業時でも融資を受けやすい、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」について知りたい方は、こちらの記事もご覧下さい。
まとめ
本記事では、クラウドファンディングによる資金調達のメリットとデメリットを解説しました。
メリットは次の通りでした。
・事業そのものの広告宣伝になる
・目的に沿った方法を選べる
・現金以外のリターンが設定できる
・テストマーケティングとしても活用できる
・ファン獲得に繋がる
・事業経験が浅くてもトライしやすい
・競合にアイディアを知られる
・一定の手間がかかる
・手数料がかかる
・リターンが負担になる
・目標金額を達成できない可能性がある
メリット・デメリット共に精査してから、上手に活用して資金を調達しましょう。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。