
本記事では、エアコン等のフロンを充塡、回収する際に必要な「第一種フロン類充塡回収業者登録」について解説します。
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フロンとは?
フロンはその性質ごとに、次の6種類に分類されます。
- CFC(特定フロン)
- HCFC
- HFC(代替フロン)
- PFC
- SF₆
- NF₃
最初に登場した「CFC」は大活躍してきたフロンでしたが、オゾン層を破壊し、地球温暖化の原因になる事がわかった事から、1995年末をもって生産中止となっています。
CFCにかわるフロンとして「HCFC」を使用する人が増加しましたが、結局は2019年末で実質消費中止となりました。
CFC・HCFCが使えなくなった事で、今度は「HFC」が使用されるようになったものの、環境にやさしいとは言えず、近い将来、消費中止になるかもしれません。
フロンの使い道は?
フロンの使途で一般的なのが「冷媒」です。
モノを冷やしたり温める機械を「冷凍空調機器(れいとうくうちょうきき)」と呼びます。
冷媒フロンは通常、対象機器の中にぎゅぎゅっと高圧力をかけ、機器の中に閉じ込められています。
しかし、使用中から少量ずつ漏れ出してしまう事、使用後の回収処理が進んでいない事が問題視されてきました。
これらを改善し、機器廃棄時の回収率向上を目指すために、「フロン排出抑制法」において、管理者がフロン回収を行わない違反状態を是正する「直接罰」の導入等、抜本的な対策を講ずる改正が行われました。
改正法は令和2年4月1日から施行されています。
第一種フロン類充塡回収業者の登録が必要な人は?
次の通りです。
- 業務用例等冷蔵空調機器の整備 または 廃棄等を行う際、冷媒として充塡されているフロン類の回収を行う人
- 業務用例等冷蔵空調機器を整備する際、冷媒としてフロン類の充塡 又は 回収を行う人
※業務用例等冷蔵空調機器を廃棄 または 整備等する際、自らそのフロン類の充塡 又は 回収を行う人も登録が必要です。
簡単にいえば、フロンを使う機械整備・廃棄の時にフロンを回収したり、充塡する人が対象となります。
登録先はどこ?
充塡 または 回収業務を行う区域を管轄する都道府県です。
例えば、対象地域が神奈川県や東京都、埼玉県等、広範囲での充塡・回収業務を行う場合、各都道府県に登録します。
必要書類は?
次の通りです。
- 申請書
- 申請者の確認書類
- 申請者がフロン類回収設備の所有権等を持っている事を示す書類
- フロン類回収設備の種類 と そのスペック(能力)を示す書類
- 誓約書
- フロン類の充塡 及び 回収に係る人の資格等に関する書類
登録手数料は?
神奈川県の場合、4,000円です。収入証紙にて納付します。
充塡回収業者の義務は?
第一種フロン類の充塡回収業者に、守るべき基準が大きくふたつあります。
・充塡基準
整備の時に充塡・回収証明書を交付し、再生・破壊証明書の回付が必要となります。
充塡証明書って?
充塡証明書には、次の事項を記載します。
- 発注した機器の管理者の氏名 又は 名称、住所
- フロン類を充塡した機器の所在
- フロン類を充塡した機器を特定するための情報
- 充塡した充塡回収業者の氏名 又は 名称、住所 及び 登録番号
- 充塡証明書の交付年月日
- フロン類を充塡した年月日
- 充塡したフロン類の種類ごとの量
- 機器の設置の際に充塡した場合かそれ以外の整備の際に充塡した場合かの別
※回収証明書の場合は「充塡」を「回収」と読み替えて下さい。
交付の方法は?
交付にも、次の規定があります。
- 証明書に記載される事項が間違いないことを確認し、書面にて交付
- 機器にフロン類を充塡した日から30日以内に交付
回収したフロン類は、原則として「第一種フロン類再生業者」又は「フロン類破壊業者」に引き渡す必要があります。
引渡しの際、再生・破壊業者が交付する証明書を、遅滞なく、管理者等に回付しなくてはなりません。
記録の作成・保存
充塡量・回収量等について、記録を作成したら保存しておきましょう。
毎年1回、事業年度の終了日から45日以内に、登録申請をした都道府県知事へ報告が必要です。
この記録には「5年間保存」という規定がありますが、必ずしも紙媒体で保管する必要はないので、電子帳簿でも構いません。
該当する年度内の充塡・回収実績がゼロだったとしても、報告義務がある点には注意しましょう。
電子申請も可能なので、スマホをお持ちの方は大いに活用しましょう。
電子申請システムのご利用はこちらから。
まとめ
当記事では、第一種フロン類充塡回収業者登録が必要な人と、手続について解説しました。
登録はフロンを使う機械整備・廃棄の時にフロンを回収したり、充塡する人が対象でしたね。
申請先は、充塡・回収区域を管轄する都道府県です。
登録後、年に1度の事業報告をしなければならない事を忘れないようにしましょうね。
本記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。