
本記事では、婚前にかわす「夫婦財産契約」について、メリット・デメリットを解説します。
Contents
夫婦財産契約とは?
夫婦財産契約は、夫婦間の財産に関わる取り決めをすることをいいます。
婚前にかわすのが一般的で、下記のことを決めます。
- 同居または別居
- 家事の分担
- 子どもや義家族
婚前契約をしていない場合はどうなるの?
特別な取り決めをしていなければ、次の法律に従って財産を取り扱うことになります。
- 第760条…婚姻費用の分担
- 第761条…夫婦の一方が他人と取引した場合の債務は夫婦で連帯責任を負う
- 第762条…婚前の財産や婚姻後に自己の名で得た財産は夫婦一方の単独所有
契約できる内容は?
「民法上と異なる取り決めをすること」を婚前契約と呼び、義家族との付き合いやこれから生まれる子どもについて、家事の分担割合なども定められます。
契約内容について、法的な規制はあまりないものの、一般的に定めるのは下記の項目です。
- 共有財産の管理、処分の方法
- 生活費の分担割合
- 離婚時の財産分与の方法と割合
- 共同で負担する債務の責任割合
夫婦財産契約を結ぶメリットは?
以下に一般的なメリットを紹介します。
- 夫婦間の信頼関係向上
- 特有財産の状況がわかる
- 離婚時の検討材料として有効
夫婦間の信頼関係向上
契約にあたり、財産の管理方法を明確にすることで、夫婦間の価値観の違いやリスクを把握することができます。
特有財産の状況がわかる
どの財産が固有財産で、どれが共有財産なのか明確になるため、将来的な財産分割や相続発生時のリスクマネジメントにも有効です。
離婚時の検討材料として有効
契約で各財産の所有権や管理方法を設計しておくことで、離婚時の分割が円滑に運ぶことが考えられます。
夫婦財産契約を結ぶデメリットは?
- 一定の制約
- 財産分割の複雑化
- 法的効力の制約
一定の制約
1度契約を結ぶと、契約書により財産管理が制約されることになります。
契約内容と異なる管理方法を実施するには、契約内容の変更や解除などの手続が必要となるため、作成段階で中長期的な視点が求められます。
財産分割の複雑化
契約により、固有財産と共有財産が明確になっている場合、共有財産の持分について複雑化する恐れがあります。
財産についての評価方法や分割方法なども考えておきましょう。
法的効力の制約
法律により、契約内容が制約を受けることがあります。
確実な契約書を作成するには、専門家に意見を求めることも考えられます。
まとめ
本記事では、夫婦財産契約のメリット・デメリットについて解説しました。
メリットは次の通りでした。
- 夫婦間の信頼関係向上
- 特有財産の状況がわかる
- 離婚時の検討材料として有効
いっぽう、デメリットもありましたね。
- 一定の制約
- 財産分割の複雑化
- 法的効力の制約
いくら永遠の愛を誓った相手であっても、互いにステージが変われば別れが来ることもあります。
結婚は慶事ではありますが、リスクマネジメントもお忘れなく。
この記事を書いた人は
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。