
本記事では、個人事業から法人成りを検討される方向けに、最適な時期を検討します。
個人事業の廃業について、下記の記事で解説していますのであわせてご覧ください。
課題の出現
一般的に法人化を勧められるタイミングは、次の課題が生じた時です。
1.資金調達 2.事業拡大 3.税金対策 4.社会保険 等 |
資金調達
個人事業主が法人化を検討するきっかけとなるのが、公共事業への関与です。
主に建築業に見られる事例ですが、法人でなければ仕事を請け負えないなど要件充足のために検討されることがあります。
一般に、個人事業より法人の方が対外的な信頼を得やすく、資金調達の場で有利に運ぶことも。
事業拡大
順調に事業が成長し、従業員や顧客数が増えてきた場合にも法人成りを検討されることがあります。
この理由として、法人としての組織形成、業務の分担、雇用維持などが考えられます。
税金対策
法人成りに際し、有利とされる税金は「消費税」を指している場合がほとんどです。
このため、個人時用の所得が800万円を超えたら、売上高が1000万円を超えたら等の意見が散見されます。
例えば、所得800万円の場合。
個人事業主にかかる税率は23%なのに対し、法人税だと15%になり、控除分を差し引いても個人事業主側の納税額が高くなることから、法人成りをプッシュされます。
ただ、これだけの理由で法人化を選ぶと後悔することもあります。
事業所得が700万円を上回る頃、1度税理士に相談してみましょう。
インボイス制度についてこちらの記事にまとめていますので、あわせてご覧下さい。
社会保険
個人事業主の場合、加入するのは国民健康保険と国民年金です。
しかし、代表取締役1人の法人でも社会保険に加入できるようになります。
従業員がいる場合、社会保険への加入は人事採用の場で有利になることも考えられます。
法人化の注意点
法人化する際、次のポイントを意識しましょう。
1.資本金の額で融資額が変わる 2.社会保険への加入義務 3.赤字でも税金がかかる 4.事務手続が増える |
資本金の額で融資額が変わる
法人は1円からでも設立できますが、事業開始後の資金調達時に必ず確認される項目でもあります。
銀行融資を前提とした法人化の場合は、ある程度の資本金を確保しておきましょう。
社会保険への加入義務
個人事業では、従業員5人以上から社会保険への加入義務が生じるのに対し、法人は人数に関係なく義務づけられます。
雇用確保、人材育成などの面では非常に有利ですが、健康保険料や厚生年金保険料等の支払が必要です。
赤字でも税金がかかる
個人事業の場合、赤字決算の場合は所得税、住民税がかかりません。
いっぽう、法人は赤字であっても法人住民税の均等割負担が必要です。
事務手続が増える
法人の会計は、個人事業より複雑化します。
これまで自身で会計処理を行ってきた場合、法人化のタイミングで税理士への依頼を検討されるのもいいでしょう。
まとめ
本記事では、個人事業からの法人成りに最適なタイミングを解説しました。
下記に法人形態についてまとめていますので、ご査収下さい。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。