
本記事では、行政書士事務所の採用面接で「おさえるべき6つのポイント」を解説します。
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行政書士事務所の面接では
行政書士事務所への就職活動において、最も重要視されるのは、面接そのものよりも「履歴書・職務経歴書等」の応募書類です。
一次試験として書類選考制度を採用している場合、応募段階でほぼ採否が決まるといっても過言ではありません。
ただ、書類の完成度ばかりが高くても、面接時の印象が悪ければ当然不採用です。
総合的に見て「この人と仕事がしたい」と感じさせる人が採用されることを、しっかり心に留めおいておきましょう。
大前提として
大前提として、面接内容は「未経験者」「経験者」で異なります。
また、「有資格者」「無資格者」でも内容に差は生じます。
このことから、自分の経歴に合った対策を講じる必要があります。
頻出の質問トップ6
行政書士事務所の面接において、頻出の質問は次の5つです。
- 志望動機
- 転職(退職)理由
- 職務経歴
- キャリアプラン
- スキル
- 価値観
1.志望動機
志望動機は次の2つに分かれます。
- どうして行政書士事務所の仕事を選んだのか
- 応募先への就職を志望する動機
前者は、現職で別の業種に就いている場合に選ばれることの多い質問です。
行政書士事務所への就職を志望する理由は?
「試験に合格したから」「格好良いから」などの動機では、当然不採用でしょうから、更に突き詰めて考えておく必要があります。
なぜ行政書士資格を取得したのか。
行政書士という職業のどこに魅力を感じ、どの業務でどんなスキルを磨きたいのか等、しっかりと自分の価値観を言葉で伝えましょう。
当所を志望した理由は?
後者は、数ある行政書士事務所から自所を選んだ理由です。
「近所だったから」「口コミがよかったから」等の動機が考えられますが、この場合ももう少し突き詰める必要があるでしょう。
具体的には、スタッフの数、取扱業務、代表行政書士の人柄などが挙げられます。
企業研究と同様の手法で、事前に研究しておきましょう。
2.転職(退職)理由
採用面接では一般的なのが、退職理由です。
自分勝手な理由での退職は、同様の理由で自所を退職するのでは?との懸念を誘発するため、得策とはいえません。(だからといって、嘘をつくのはいけませんが。)
万が一、ネガティブな理由で退職に至ったとしても、なるべくポジティブに締めくくる構成にしましょう。
健康上の理由で退職した場合、現状や対応策なども具体的に伝えることで理解を得やすいでしょう。
3.職務経歴
大分類では事務職に分類される行政書士業務。
現職、または前職において、異なる業種に就いていた人は「どうして事務職に転向したいのか」を尋ねられる可能性があります。
事務職は書類作成などのデスクワークに限らず、電話や来客応対、取次なども担いますので、営業職からの転向などは喜ばれるでしょう。
4.キャリアプラン
多くの志望者は「開業したい」と考え、修行のために就職を希望します。
学習意欲・向上心のある従業員は事務所にとっての資産ですが、いっぽうで、「開業」の言葉に敏感な代表も多いものです。
なぜなら、せっかく育てた従業員が「これから」というときに独立開業してしまうことは、事務所にとって大きな損害だからです。
実際に開業を検討している場合であっても、面接の場ではストレートな表現を避け、どのスキルをどの程度のばしていきたいのか語る方がうまくいくこともあります。
5.スキル
経験者や有資格者に向けられる質問のうち、「これまでの業務」は特に頻出です。
漠然と「書類作成です」「雑用です」と答えるのではなく、どのプロセス(業務)をどの程度担っていたのか?特にどんな業務において、貢献してきたのか?等を順序立てて答えられるよう準備しておきましょう。
6.価値観
先に働いている従業員や、事務所が大事にしている価値観に合う人柄かどうかを確認するため、あなたが大事にしていること、価値観を尋ねられることがあります。
この際、単に「正解」と思われる回答をしただけでは足りません。
必ず、自分の経験と絡め、現在の価値観を抱くに至ったきっかけ・出来事、その価値観によりどのような行動を起こしたのかを具体的、かつ、客観的な視点で語れるように準備しておきましょう。
事務所側が面接で知りたい3つのポイント
採用面接を通し、事務所側が知りたがっているポイントは次の通りです。
- 応募に対する熱意
- 行政書士事務所・業務に対する理解度
- 戦力としての適性
応募に対する熱意
単に「近所だった」「募集する時間が自分の都合の良い時間帯だった」「事務経験があるから」などの動機のみで採用を勝ち取るのは厳しいでしょう。
どの職種でも言える事ですが、採用側は未来を見据えています。
すぐに辞めてしまわないか、代表や他の従業員・顧客とうまくやっていけるか等を突き詰めると、仕事への熱意は欠かせない要素です。
志望動機の項でもお話しましたが、当該事務所への就職を志望する理由は、ある程度の解像度を持たせて語れるよう準備しておきましょう。
行政書士事務所・業務に対する理解度
業界未経験どころか、事務職未経験の場合、雇用後にはあなたを1から教育しなければなりません。
世間一般からみたとき、行政書士という職業そのものが抽象的であるがゆえに、業務内容を明確に理解した状態で志望する人は稀少です。
しかし、個人情報の取扱いや最低限のビジネスマナーなど、どんな職業でも身につけるべきスキルを持っていれば、大いに活用できる職種でもあります。
働き始めて驚くような業務もあるでしょうが、新しい物事にあたるときに物怖じしない姿勢、向上心などをうまくアピールできれば、採用の可能性も高まるでしょう。
戦力としての適性
意外かも知れませんが、行政書士事務所では未経験者のほうが優遇される場合があります。
これは、前の事務所の「常識」が邪魔となり、新しい職場での教育・やり方を素直に受け入れられない可能性を考えてのことです。
また、求人を出している事務所のほとんどは人手が足りず、物理的に多忙を極めていることがほとんどです。
そのため、十分な教育体制が整っていないことも多く、あなた自身で考え、正しい選択をしていける「軸」を求められます。
面接では、高い倫理観や考える能力をアピールできるエピソードを用意しておくといいでしょう。
まとめ
本記事では、行政書士事務所の面接で聞かれる6つのポイントを解説しました。
行政書士事務所への就職がゴールではなく、その先にあなたの目指す未来があるはずです。
面接という非日常的な場でも、あなたの良さが遺憾なく発揮できることを祈っています。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。