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当ページでは、相続人申告登記制度について解説します。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
相続人申告登記とは
令和6年(2024年)4月1日より、相続登記義務化制度が始まります。
これに伴い、相続で不動産を取得した相続人は、相続開始 および 自分が不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
この期限を過ぎた場合、ペナルティ(10万円以下の過料)も用意されています。
しかし、すべての相続において、遺産分割協議が3年以内に終わるわけではありません。
そこで新設されるのが「相続人申告登記」制度です。
相続人申告登記は、本来必要な相続登記手続きを、より簡単に履行することができる制度だといえます。
相続人申告登記はいつから?
相続人申告登記は、相続登記義務化と同じ令和6年(2024年)4月1日から施行されます。
相続人申告登記ができる人
相続人申告登記ができるのは、原則、法定相続人です。
相続人申告登記に必要な書類
相続人申告登記をする際、必要な書類は次の通りです。
- 相続人申告登記の申出書
- 被相続人の死亡はわかる戸籍謄本または除籍謄本
- 申出人が相続人だと確認できる戸籍謄本
- 相続人の住民票
相続人申告登記は、相続人本人が相続登記の期限内に登記を行う必要があります。
このときに必要な情報は、「死亡人の相続が開始したこと」「自分が相続人であること」。
これらを証明する書類が上記のものというわけです。
相続人申告登記の流れ
- 相続人・相続財産の特定
- 遺産分割協議
- 相続人申告登記
1.相続人・相続財産の特定
死亡人(被相続人)が死亡した場合、相続手続きのために法定相続人と相続財産を調べる必要があります。
具体的には、被相続人の出征から死亡までの連続した戸籍書類を集め、この中から法定相続人に該当する人を洗い出します。
相続財産を調査する際は、プラスのみならず、ローンなどマイナスの資産も調査しましょう。
2.遺産分割協議
法定相続人と相続財産が確定したら、法定相続人全員で遺産分割協議を行います。
相続人申告登記が必要となるのは、遺産分割協議がまとまらず、不動産を相続する人が決まらない場合です。
この他、相続登記が必要な不動産を長期間放置し、その間に所有関係が複雑化している場合も考えられますが、当ページでは、上記の場合で話を進めていきますね。
相続登記の期限内に協議がまとまらなければ、期限を過ぎたことに対してペナルティが用意されています。
これを回避するため、相続人申告登記を行います。
3.相続人申告登記
相続人申告登記では、費用がかからないうえに、一部の相続人が単独で手続きを行うことができます。
対象の不動産の住所地を管轄する法務局に赴き、必要書類を提出して手続き完了です。
相続人申告登記の注意点
相続人申告登記には、次のような注意点があります。
- 相続登記の申請期限
- 相続登記の申告義務を果たしたとして扱われるのは○○のみ
- 相続登記と相続人申告登記は別の手続き
1.相続登記の申請期限
令和6年(2024年)4月から、相続登記義務化制度が開始されます。
これにより、相続によって取得した不動産は、相続開始および自分が相続したことを知った日から3年以内に登記をしなければなりません。
正当な理由なく、この期限を過ぎてしまった場合、10万円以下の過料に処される可能性があります。
ペナルティがあるから守るべき!!ではなく、登記をしていないと様々なリスクが生じるのに登記をしない人が多いからやむを得ずペナルティをつけた、がこの制度誕生の理由です。
自己防衛のためにも、早めに登記は済ませましょう。
2.相続登記の申請義務を果たしたのは○○のみ
ただし、相続登記の申請期限内に相続人申告登記を行うことで、相続登記の期限を守ったとして取り扱われることになります。
要するに、お咎めなしということです。
ここで気を付けてほしいのは、ペナルティを免れる相続人は、相続人申告登記を申請した相続人のみです。
相続人申告登記をした後に遺産分割協議がまとまり、不動産を複数の相続人で共有にする場合、相続人申告登記申請をしていない相続人には、ばっちりペナルティが科せられます。
相続する可能性がある場合、相続人申告登記を行っておくのが賢明かもしれません。
3.相続登記と相続人申告登記は別の手続き
相続人申告登記は、あくまでも相続登記の応急処置に過ぎません。
そのため、不動産を売却または贈与する場合など、正式に相続登記をする必要があります。
それだけでなく、不動産申告登記後でも相続登記をしなければならない場合も考えられます。
相続人申告登記まとめ
当ページでは、相続登記義務化に伴い新設される「相続人申告登記」を解説しました。