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当ページでは、高齢者向けに提供される身元保証サービスの概要、成年後見制度との違い、トラブルになる事例から失敗しないポイントを解説します。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
やぎ座のO型。
榊原行政書士事務所 代表を務めるかたわら、日常の疑問・悩みに効く情報を発信しています。趣味は、写真を撮ること、神社巡り。
身元保証サービスとは
身元保証サービスは、病院への入院や福祉施設への入居、死亡時等に必要な「身元保証人」の役割を、親族等に代わって専門事業者が行うサービスをいいます。
成年後見制度に似ていますが、法律上、明確な基準が定められておらず、監督機関がないことため、契約当事者双方の判断に委ねられる部分が大きいのが特徴です。
身元保証人と成年後見人との違い
身元保証人には、次のような役割があります。
- 身柄、荷物の引取り
- 本人に代わる意思決定または確認先
- 金銭面での保証
- 緊急時の連絡先など
ただし、これら全てが身元保証サービスを提供する会社の定義に当てはまるかといえばそうではありませんので、確認しましょう。
身元保証サービスに近い制度として、成年後見制度があります。
成年後見人は、病気や障害などが原因で、判断能力が不十分になった人をサポートする役割を持ちます。
サポートするのは事務手続や金銭管理で、介護などの動作をお手伝いするものではなく、対象者が亡くなると同時に後見は終了するのが特徴です。
そのため、成年後見契約では「死後事務委任契約」も結ぶのが一般的です。
身元保証サービス 活用場面
高齢者は、次のような場面で身元保証サービスの利用を必要とします。
- 病院への入院時
- 老人ホーム等の福祉施設入居時
- 死亡時
病院への入院時
多くの医療機関では、入院時に「身元保証人」を求めます。
身元保証人は、本人が入院費を支払えない場合の保証だけでなく、意思決定を要する治療が必要な場合の判断を行います。
老人ホーム等の福祉施設入居時
老人ホーム等の福祉施設の場合、病院という傷病前提の機関に比べ、中長期的な契約となるのが一般的です。
このため、利用料も高額化するケースがほとんどで、身元保証人の設定を必須とする施設が多いのが現状です。
死亡時
死亡場所が自宅、自宅外のいずれであっても、医師の死亡診断がなければならないのが日本の法律ですので、医療機関または医師等が常駐する福祉施設から連絡が入ることになります。
このとき、身元保証人は、死亡時の遺体の引取り、葬儀、その他、死後に必要な事務手続を行います。
高齢者向け身元保証サービスの内容
高齢者向けの身元保証サービスは、主に次の内容で構成されています。
- 生活サポート
- 入院時・施設入居時の身元保証
- 緊急時の対応
- 死亡時のサポート
※これらは一例なので、各社内容は異なります。事前に必ず内容を確認しましょう。
1.生活サポート
身元保証サービスでは、日常生活で身元保証が必要な場面で次のようなサービスを行います。
- 通院・通所の付き添い
- 施設等からの連絡対応
- 服薬情報の共有、確認
- 高額商品・サービス等の契約時の保証
- 安否確認
2.入院時・施設入居時の身元保証
身元保証サービスでは、入院、福祉施設への入居(入所)時に必要な事務手続、身元保証を行います。
福祉施設に入居する際、既往症、治療中の傷病、治療・投薬方針、日常生活における注意点等を説明することになりますが、これらを全て行ってくれる事業者もあります。
このほか、入居時の連帯保証人を務めてくれる事業者もありますが、対応範囲は事前に確認しましょう。
3.緊急時の対応
身元保証サービスでは、容態が急変し、緊急搬送された場合や、本人の意思確認ができない状況にも対応することができます。
4.死亡時のサポート
身元保証サービスでは、契約者本人が死亡した場合、死後に必要な手続にも対応します。
身寄りのない場合、喪主を務める事業者もありますし、遺品整理にも対応している事業者もあります。
身元保証サービスの費用(目安)
身元保証サービスの利用料は、大きく「サービス利用料」「預託金」「会費」に分けられます。
サービス利用料は、一般的に前払。契約時に支払うことが多く、30万-50万円程度が相場です。
預託金は、入院・福祉施設の入居等、死後に必要な葬儀費用に備えるもので、50万円から数100万円を求められるのが一般的です。
生前に解約すれば返金される場合がほとんどですが、契約前に確認しましょう。
身元保証サービスは、会員制を採用している事業者が多いため、年会費または月額料金を支払うケースがあります。
いずれもネット上での相場感なので、お住まいの地域、サービス内容により変動します。必ず、内容と価格を比較衡量して契約しましょう。
身元保証サービス利用者のトラブル例
身元保証サービスをめぐる契約トラブルとして、実際の相談内容をご紹介します。
- 契約内容がよくわからず高額なので解約したい
- 事業者に勧められるがままサービスを追加し、思ったより高額な契約に
- 預託金として100万円を支払うよう言われているが、詳細な説明がない
- 契約するつもりのなかったサービスまで含まれていた
- 約束されたサービスの提供がないため解約を申し出たところ、説明のないまま清算されていた
身元保証サービスをめぐる相談事例からみる問題点
これらの相談内容から、下記の問題点が考えられます。
- サービス内容・料金等を理解できないまま契約している
- 約束されたサービスが提供されないことがある
- 解約時の返金をめぐり、トラブルになることがある
身元保証サービスで失敗しないポイント
身元保証サービスをめぐるトラブル相談例、問題点から、次のポイントをおさえていきましょう。
1.サービス内容・料金等の理解
身元保証サービスを契約する際、自分の希望をしっかり伝えることが必要です。
そのうえで、事業者が提供するサービスの内容・条件、料金体系等をよく確認し、不安・不明な点はきちんと確認しましょう。
万が一、事業者に契約を急かされた場合でも、1度持ち帰り検討するのがオススメ。
できれば周囲の人にも内容を共有し、自分に合ったサービスを検討していきましょう。
2.解約時等の返金条件の確認
身元保証サービスの契約時、預託金を支払う場合には、預託金の使途・目的・管理方法まで確認しましょう。
預託金等は、解約時に一部または全部を返金される場合がありますが、返金に条件を付けているのが一般的です。
どのような場合に返金され、返金されないのか、一部のみ返金の場合、どうして減額されるのかなど、しっかりと確認してから、契約しましょう。
3.契約内容を親族に知らせる
身元保証サービスを検討する場合、早めに、周囲にその旨を伝えておきましょう。
身元保証サービスの目的は、自分に何かあったとき、自分の代わりに手続等を進めてもらうことにありますが、契約していることを知らなければ周囲も活用することができず、本末転倒。
自分の契約しているサービスは、自宅内の誰でも確認できるところに掲示しておくなどの工夫も必要です。
身元保証サービスの相談先
身元保証サービスを提供している団体は、次の通りです。
- 一般社団法人
- NPO法人
- 民間企業
各団体により、料金体系、サービス内容が異なりますが、コストを抑えるには「NPO法人」、サービス内容の自由度が高いのは「一般社団法人」または「民間企業」だと思います。
万が一トラブルになったら
身元保証サービスをめぐるトラブルの相談は、消費者ホットライン「188(いやや)」までご連絡下さい。
高齢者向け身元保証サービスまとめ
当ページでは、高齢者向け身元保証サービスをご紹介しました。