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当ページでは、お金を貸した相手が逃げた場合の対処法、対処の際の注意点、お金を貸すときのポイントを解説します。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
お金を貸した相手が逃げた!と感じたら
まずは落ち着く
お金を貸した相手と連絡がつかない場合、すぐに「逃げられた」と考えるのではなく、次の可能性を考えてみましょう。
- 単純に忙しい
- 体調を崩し入院している
- 引っ越した
- スマホの故障・不具合
- 携帯電話料金の未払など
返済が滞っている場合、相手と連絡がとれないのは緊急事態ですが、理由により返済自体に支障がないこともあります。
まずは、別の方法で連絡がとれないかを考えましょう。
貸した相手の情報を整理する
お金を貸した相手と連絡がとれない場合、自分が知っている相手の情報を整理しましょう。
- 相手の現住所・電話番号・メールアドレス・SNSのアカウント
- 相手の勤務先、実家の住所・電話番号
- 相手の交友関係など
借金の事実を周りに公表していない場合、いきなり本人周辺に連絡すると、こちらが罪に問われる可能性もあります。
貸した側なのに…と考えると腹が立つかもしれませんが、こちらの目的は「お金を返してもらうこと」です。冷静に対処しましょう。
契約書の内容を確認
お金を貸す際、契約書を作成している場合、内容を確認しましょう。
一般的には、返済方法、利息、各返済の期日、期日を過ぎた場合の対処法を定めているはずですが、コンスタントに返済されていると忘れている場合もあります。
連絡が途絶えるまで、1度も期日に遅れたことがなかった場合、事件・事故に巻き込まれた可能性もあります。
このような場合に「逃げた」と断定すると、相手との信頼関係がなし崩しとなりますので、返済状況等と併せて確認するのがオススメです。
他の方法で連絡をとる
普段とは別の連絡手段を試しましょう。
- 郵便を出す
- 留守電にメッセージを入れる
- SMSを送る
- 親戚・交友関係がわかれば「連絡をとりたい」と言伝する
- 勤務先に出勤の有無を確認する
職場では、従業員の個人事情を他言することはできませんが、出勤の有無については回答してくれる場合があります。
このほか、SNSのアカウントがわかれば、ログイン状況等を確認してみましょう。
お金を貸した相手と連絡がとれなくなった場合の注意点
お金を貸した相手と連絡がとれない場合、下記の点に注意しましょう。
相手の勤務先に押しかけるのはNG
お金を貸した相手と連絡がとれない場合、いきなり相手の職場を尋ねるのはNGです。
会社側の営業を妨害することになりかねませんし、貸した相手からすれば、知られたくない事実を知らされることとなり、名誉毀損罪に該当する可能性があります。
そもそも、借金情報を開示されたことで、本人が出勤しづらくなってしまえば、返済の目処が立たなくなってしまいます。
借金情報の他言は罪に問われる可能性がある
一般的に、金融機関ではなく、友人・知人にお金を借りるのは「後ろめたい行為」です。
本人が積極的に他人に開示する情報でない以上、貸した自分が第三者に他言すると、契約上の「秘密保持契約違反」、刑法上の「名誉毀損罪」等に該当する可能性があります。
相手の友人等に聞き込みを行う際は、「連絡がつかないことで困っている(心配している)」ことを伝えるにとどめ、詳細な情報は避けるようにしましょう。
お金を貸した相手を探す方法
お金を貸した相手に逃げられた場合、相手の居場所を特定するために、次の手段が考えられます。
書留を送る
相手の住所に郵便書留または特定記録郵便を送付する方法が考えられます。
きちんと転居届を出していれば、郵便物は転居先住所に転送されるため、配達記録(追跡サービス)で基地局まで確認することができます。
番地まで特定できないにしても、転居の事実がわかることで、別の方法を検討することが出来ます。
転居届を出していないと、郵便物は返送されますが、一定期間経過後に提出することも考えられます。
戸籍書類を請求する
お金を貸すとき、金銭消費貸借契約書等の書類を作成しておくと、これを根拠に、相手の住民票や戸籍の附票を請求することができます。
住民票には転出、転入の履歴が明記されるため、転居先の現住所を知る事ができますが、万が一、相手が手続を行っていなければ、特定することができません。
身内に匿われている場合もあるため、相手の交友関係等を先に調べておくのも有効です。
聞き込み・張り込み
共通の知人や相手の家族に聞き込みを実施し、相手の生活導線内で張り込みを行う方法もあります。
ただ、この方法では膨大な時間と労力を要しますので、オススメしません。
警察に捜索願を出す
お金を貸した相手の行方がわからない場合、警察に捜索願を出す方法もあります。
警察で「事件性がある」と認められると積極的な捜査を行ってくれますが、警察は探偵ではありません。
個人間のトラブルによる捜索願の場合、受動的な捜査がせいぜいだと思われます。
詐欺罪等、別の犯罪が成立する場合なら動いてくれるかもしれませんので、要件を確認しましょう。
弁護士・探偵に依頼する
お金を貸した相手を徹底的に探すなら、弁護士または探偵への依頼が考えられます。
弁護士の場合、職権で相手の現住所を調べることができ、各法律に精通しているため、訴訟前提で考えているなら必ず力になってくれます。
探偵の場合、弁護士と違い、職権での調査はできませんが、聞き込みや張り込みをベースに交友関係など、より個人的な情報まで徹底的に調べてくれます。
弁護士と探偵とで連携しているところもありますので、借金問題に強い弁護士を探すといいでしょう。
お金を貸すときのポイント
ここまでお金を貸した相手が逃げた場合の対処法を解説しましたが、お金を貸すときのポイントをご紹介します。
1.契約書を作成
お金を貸す場合、必ず契約書を作成しましょう。
お金の貸し借りについての契約書は、法的に「金銭消費貸借契約書」といい、収入印紙が必要です。
その他、主な取り決め(記載)時効は次の通りです。
- 貸付の内容
- 返済方法
- 利息
- 遅延損害金
- 期限の利益喪失条項
- 連帯保証に関する条項
- その他
契約書は2通作成し、お互いに保管します。
作成が不安な方は、専門家に依頼するほか、雛形が市販されていますので活用しましょう。
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2.相手情報を詳細に把握
金銭消費貸借契約書のほか、お金を貸した相手が逃げた場合を想定し、相手の現住所、勤務先や実家の住所・連絡先まで控えましょう。
契約書には互いの現住所を記載するのが一般的ですが、印鑑登録証明書や住民票などで確認するのがオススメです。
ごく稀に、他人の書類を提出してくる強者もいますので、確実に本人のものだと確認できるだけの情報を求めましょう。
3.定期的に連絡をとる
貸した側からすれば、定期的に返済してくれれば言うことはないかもしれません。
しかし、知らない間に転居・転職していることもあります。
この場合、連絡を断たれると相手の身柄を確保することがかなり難しくなりますので、できるかぎり定期的な連絡を心がけましょう。
お金を貸した相手が逃げた場合の対処法まとめ
当ページでは、お金を貸した相手が逃げた場合の対処法をご紹介しました。