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当ページでは、漁港の区分と指定要件を解説します。
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
漁港の種類
漁港は、農林水産省が定める「漁港の指定島に関する基準」をもとに、下記5つの区分に分類されます。
- 第4種
- 第1種
- 第2種
- 第3種
- 特定第3種
ポイントは、「経済効果」「漁港の将来性」です。
漁港の指定要件
漁港の指定を受けるには、区分問わず、漁港として「自然」「経済」に関する立地要件を満たす必要があります。
更に、「申請年度または次年度以降に、国の漁港関係補助事業または都道府県・市町村等の計画する単独事業を実施する計画があること」が求められます。
これに伴い、下記の要件を満たさなければなりません。
- 漁港を「公共施設」と呼べるだけの外郭施設、係留施設、水域施設が1つ以上あり、地元漁船や利用漁船の実隻利用数が約20隻以上であること
- 漁獲物の陸揚量が相当量あること、漁船の出漁準備、休憩、避難、水産動植物の養殖作業等の魚魚活動が営まれていること
「1.公共施設と呼べるだけの施設」とは、下記のものをいいます。
施設 | 概要 |
---|---|
外郭施設 | 防波堤、防砂堤、導流堤、護岸など |
係留施設 | 桟橋、浮桟橋、岸壁、船揚場など |
水域施設 | 十分な深さのある水域のこと |
これらを満たした上で、各区分ごとの要件を満たす必要があります。
第4種漁港の指定要件
第4種漁港の指定要件は、「場所」「目的」「周囲への影響」が基準となります。
- 離島、僻地にあること
- 漁場の開発、漁船の避難のために、漁港の配置上、特に指定が必要であること
- 相当規模の静音水域の確保が可能、かつ、近隣2か所以上の漁港の安全性、機能性等の向上に相当な効果が期待できること
- 3の地域開発、防災への貢献が期待できる場所であること
第2種漁港
第2種漁港として指定を受けるには、下記に規定する「漁船の隻数」「年間水揚げ量」「施設」のうち、3つ以上を満たす必要があります。
- 地元の漁船が50隻以上、または、漁船の総トン数500トン以上であること
- 利用漁船が25隻以上、または、漁船の総トン数合計が250トン以上であること
- 属地陸揚げ量が年間1,125トン以上であること
- 停留施設、幅員3m以上の臨港道路、荷さばき所をすべて備えていること
第3種漁港
第3種漁港の指定を受けるには、下記のうち、3つ以上の要件を満たす必要があります。
- 地元漁船が140隻以上、または、漁船の総トン数が2,400トン以上であること
- 利用漁船が70隻以上、または、漁船の総トン数が1,600トン以上で、複数の都道府県から利用されていること
- 属地陸揚量が年間5,000トン以上であること
- 次に掲げる施設をすべて備えている事
(1)停留施設
(2)幅員5.5m以上の臨港道路または臨港鉄道
(3)荷さばき所
(4)漁船修理上
(5)給水施設
(6)給油施設
(7)製氷施設
(8)冷凍施設
(9)冷蔵施設
第1種漁港
上記に掲げる第4種、第2種、第3種漁港のいずれにも該当しない漁港を、第1種漁港といいます。
特定第3種漁港
特定第3種漁港は、第3種漁港のうち、水産業の振興上、特に重要な漁港として政令で定められているものをいいます。
第4種から第1種漁港においては、関係各法、農林水産省の発する通知を根拠とされますが、特定第3種漁港のみが政令を根拠とする点で異なります。
根拠が異なるということは、指定基準を制定する機関が異なるため、指定前後で取扱いに違いがあります。
令和4年(2022年)時点で特定第3種漁港に指定されている漁港は、全国で13港です。
- 八戸漁港
- 気仙沼漁港
- 石巻漁港
- 塩釜漁港
- 銚子漁港
- 三崎漁港
- 焼津漁港
- 境漁港
- 浜田漁港
- 下関漁港
- 博多漁港
- 長崎漁港
- 枕崎漁港
漁港の種類、指定要件まとめ
当ページでは、漁港の種類と指定要件を解説しました。