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当ページでは、行政書士法人の設立方法、メリット、注意点を解説します。
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筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
1人行政書士法人とは
行政書士法人は、行政書士業務をチームで行うために設立する法人のことをいいます。
令和3年(2021年)6月前までは、行政書士法人の設立に2名の登録者が必要でしたが、1人でも法人化できるようになりました。
行政書士法人設立のメリット
下記に、一般的に考えられるメリットを紹介します。
- 信頼性の向上
- 個人のリスク低減
- 事業拡大の可能性
- 人材雇用において有利
1.信頼性の向上
法人格を取得することにより、内外に安心感を与えることができ、信頼性が向上する場合があります。
行政書士法人の場合、契約の主体は個人から法人となり、法人名義で財産を取得し、融資等を受けることができます。
また、一般の人には実力がはかりづらい士業という職業柄、前情報がなくとも安心感があるのは法人である場合が多いのも事実です。
相手が企業の場合、個人事務所だとそもそも審議対象として挙げてもらえないこともありますが、法人だと、選択肢に加えてもらうことができます。
2.個人としてのリスク低減
個人事務所の場合、融資を受ける際は代表者個人が連帯債務者となる等のリスクがありますが、行政法人の場合、個人で責任を負う必要がありません。
また、法人の場合、事業年度を自由に設定できることもメリットの1つです。
個人事業の場合、1月1日から12月31日までを1事業年度としますが、法人の場合、閑散期に決算期を設定することで、負担軽減効果が期待できます。
3.事業拡大の可能性
行政書士事務所の場合、他の事務所と共同して営業を行うには、共同事務所または合同事務所等の方法を選びます。
いっぽう、行政書士法人の場合には、他企業との合併(M&A)を行うことも可能となり、個人事務所よりも大きな成長を遂げられる可能性があります。
4.人事雇用において有利
法人化による社会保険への加入など、個人事務所と比較すると労働者に魅力的な条件が揃えられるため、人事採用の場における優位性が高まります。
また、個人事業と比較し、経費に算入できる支出対象が広がることもメリットだといえます。
行政書士法人設立の注意点
1人行政書士法人を設立する場合、下記に注意しましょう。
- 運営コストが増える
- 社員が1人のままでは活用しきれない
1.運営コストが増える
法人の場合、諸会費や保険金額、外注費等が値上がりするだけでなく、融資等の審査が厳しくなります。
また、個人事業の場合にはかからなかった費用(法人住民税)がかかり、年間10万円から20万円程度の支出が増えることには注意が必要です。
とはいえ、金銭外でプラスになることが多いことも事実ですので、慎重に検討しましょう。
2.社員が1人のままでは活用しきれない
法人成り最大のメリットは、事業の継続性です。
行政書士法人の場合、受任の主体は法人であり、社員である行政書士等が病気やケガにより業務を遂行することができなくなった場合でも、他の社員が継続して処理することができるため、依頼者に余計な心配や迷惑をかけることがありません。
この場合、社員が2人以上いなくてはなりませんので、1人きりの行政書士法人を設立してもメリットを最大化することは難しいでしょう。
行政書士法人の設立で迷った場合
行政書士法人の設立で迷った場合、下記を意識してみましょう。
- 事業の展望
- 所得水準の把握
1.事業の展望
行政書士として独立開業している人の場合、開業時の志があるものと推察します。
ここに「事業拡大」が含まれるのなら、行政書士法人設立のメリットもあろうかと思いますが、そうでなければ事務所経営を継続するのがオススメです。
事業拡大を目指しているものの、何らかの理由により及び腰になっているのなら、しっかりとした事業計画を策定し、ある程度の不安要素を排除して前に踏み出すのもいいでしょう。
2.所得水準の把握
行政書士としての売上が少なく、事業所得が少ない場合、税負担だけを考えると、法人化はまだ早い可能性があります。
しかし、将来的に法人成りを考えるのなら、ある程度の見込は立てておく必要があるため、税理士等に相談しましょう。
まとめ
本記事では、1人行政書士法人設立のメリットとデメリット、手続の流れを解説しました。
法人成りを検討される際は、自身の目的をしっかり見据え、必ず効果測定を行いましょう。
この記事を書いたのは
ヲタク行政書士®榊原沙奈です。