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「贈与された」「遺贈された」―似ているようで違うような言葉ですが、法的には別物です。
本記事では、「受贈者(贈与を受けた人)」と「受遺者(遺贈を受けた人)」の違いについて、実務の現場で混乱しがちなポイントを抑え、やさしく解説します。
「受遺者」とは
受遺者とは、「遺言により財産をもらった人」を指します。
たとえば、「長年お世話になった○○さんに、土地を遺贈します。」といったケースが典型です。
遺言により、相続人以外の第三者が財産を受け取ることも可能です。
「受贈者」とは
一方、受贈者とは「贈与により財産をもらった人」のことです。
贈与は「契約行為」とされており、あげる側・もらう側の合意が必要になります。
そのため、贈与が成立するには次の条件を満たす必要があります。
無償性 | お金を払わず、無償で財産を受け取ること |
片務性 | あげる側にだけ義務が発生する(もらう側に義務なし) |
諾成性 | 「あげます」「もらいます」の意思表示だけで成立する |
違いを比較してみましょう
比較項目 | 受遺者 (遺贈) | 受贈者 (贈与) |
---|---|---|
発生の形式 | 遺言書による一方的な指定 | 契約による双方の合意 |
税金の種類 | 相続税 | 贈与税 |
登記の手続き | 遺言執行者または相続人と協力 | 贈与者と受贈者で協力 |
子どもが関わる場合 | 遺言者は15歳以上 受遺者は代理人でもOK | 未成年は親権者の同意が必要 |
海外居住の場合 | 遺言執行者により処理される | 贈与税の適用判断が複雑 |
受贈されたらやるべきこと
財産を贈与された場合、年間110万円を超えると贈与税の申告が必要です。
この金額は「1年間でもらった総額」で判定され、贈与者の人数に関係ありません。
正確な判断については、税務署、または税理士までご相談ください。
まとめ
「遺言で財産を受け取る=受遺者」「契約で財産をもらう=受贈者」。
この違いをおさえておけば、手続きや税金の場面でも安心して対応できます。
ややこしく見える法律用語も、ひとつずつ整理していけば大丈夫。
実務でも混乱しがちなこのテーマ、この記事が少しでも役立てば幸いです。