当サイトの一部に広告を含みます。
Contents
関連投稿
9月に入り、行政書士試験の受験生は「このままでいいのか」と焦りや不安を抱きやすくなる。
夏の間に学習し、ある程度は力がついた実感がある一方で、模試の結果や記述の点数に納得できず、伸び悩みを意識する人も増えて来る時期である。
この不安は悪ではなく、修正することでまだ伸ばせるサインでもある。
ポイントは、漠然と不安に振り回されるのでなく、具体的な行動に変えていくこと。
この記事では、模試の分析法や記述の伸ばし方、本番を想定した生活ルーティンの作り方について整理する。9月の取り組み次第で、本試験当日の得点力が確実に変わるだろう。
第1章 模試を「点数」ではなく「素材」にする
模試の受験生たちの多くは、点数や偏差値に一喜一憂する。
だが、本当に着目すべきはそこではない。
模試は本試験のリハーサルでなく、弱点をあぶり出す素材に過ぎない。
解き終えたらまず、自分が間違えた問題について「なぜ落としたか」で分類しよう。
知識不足 | そもそも知らなかった、あるいは覚えていなかった |
理解不足 | 条文や判例の意味を取り違えた |
ケアレス | 問題文の読み飛ばしや、計算・字数ミス |
これら3つに仕分けることで、漠然とした「実力不足」にとどまらず、具体的に点を落とした理由やパターンが見えてくる。
さらに、繰り返し出している“負け筋”をノートやエクセルに記録するのも有効だ。
例えば「条文の混同」「否定形の読み飛ばし」など、自分の癖を積み上げることにより、次に似たような問題が出てきた際に回避できる確率はぐっと上がる。
模試は順位を測るものではなく、自分専用に改善マップを作る道具だ。
点数に振り回されず、失点した箇所と次への活かし方に集中することで、9月の学習効率は大きく変わる。
「9月の調整をしつつも、学習全体の進捗や教材選びに迷いがある」という人に向け、行政書士試験に関するよくある質問をまとめたので参考にしてほしい。独学・勉強法・教材の選び方からモチベーション管理まで、受験生活でつまずきやすいポイントを整理した。
👉 行政書士試験 よくある質問まとめ|独学・勉強法・教材・モチベ維持まで網羅解説
第2章 記述対策は「型」と「減点回避」に絞る
9月時点において、記述問題を満点狙いで伸ばすのは非効率だと言わざるを得ない。
この時期に必要なのは、合格に届く最低限の「型」を固めること。
特に意識すべきは、必須ワード+結論を外さないこと。
採点者は一文ごとに細かく見ているわけではなく、キーワードを拾っている。
そのため、上手い文章より採点者が拾いやすい答案を書けるかが勝負である。
具体的な練習法として、
- 過去問や予想問題を使い、20字以内で結論だけを要約
- 結論に至った根拠条文と要件を型として覚え、骨組みをすぐに出せるよう練習を重ねる
- 自分の答案を採点基準に照らす習慣をつけ、減点ポイントを自覚する
これを繰り返すことにより、どんな問題であっても拾われる答案を書けるようになるはずだ。
記述問題について不安を抱く受験生は多いが、9月には「満点の答案」より「大きく落とさない答案」を目指すべきである。
減点を避ける術を身につけることで、安定した得点を狙おう。
第3章 ルーティン設計で“本番の脳”をつくる
知識を積み重ねるだけでは、本番に力を出し切ることは難しい。
試験で問われるのは「頭の良し悪し」でなく、決められた時間内に結果を出すこと。
そのため、9月のうちに生活リズムや演習に臨む時間帯を本番仕様に寄せられると心強い。
行政書士試験は、午後1時スタートである。これに合わせ、過去問や模試演習も午後1時から始める。
午前中の過ごし方、昼食の内容と量、水分の取り方まで本番を想定し、当日のタイムテーブルを日常に組み込む。
また、休憩時間の使い方もシミュレーションしておくと効果的だ。
短時間で糖分を補給できるお菓子や、眠気を誘わぬ飲み物を試し、自分なりのベスト食材を見つけておこう。
こうして、生活に本番を組み込む作業を取り入れることで、試験当日に余計なことに思考を割くことなく問題に集中できる。
ルーティンにより、脳に「いつものこと」と認識させ、不安や緊張を削る戦術である。
第4章 不安との付き合い方
9月の受験生に共通するのが、「まだ足りない」感覚。
その原因は弱さや学習不足に限ったものではなく、試験に向け真剣に積み上げている人にこそ見られる自然な反応である。
不安を力に変えるには、不安を失敗の予兆と決めつけないこと。準備が進んでいる証拠と考えた方が気楽だ。
人は、学んだ知識が増えるほどに「まだ甘い」と特定し、不安視することができるもの。その気づきこそが不安の正体だ。
ポイントは、不安を抱えたまま机に向かうのでなく、行動に変換すること。
模試の誤答を分類し、弱点を分析する。記述問題の型・演習を繰り返す。日常のルーティンを1つ試してみる。
このように具体的なアクションに落とし込むことで、自然と不安も薄れるだろう。
「不安がある=まだ伸びしろがある」と捉え直せれば、9月は最も成長できる時期になる。
さらに「実際に合格者や受験生がどう乗り越えてきたか」を知りたい人は、以下のマガジンが参考になるかと思います。独学の工夫や失敗談など、リアルな声から学べることは多いです。
👉 ヲタク行政書士®が語る!行政書士試験・実録マガジン
おわりに
9月は単に、勉強時間を積み重ねる時期ではない。
模試を分析して弱点を言語化し、記述の型を固め、生活のリズムを試験本番に寄せていく。
こうして“調整”を繰り返すことにより、知識が点から線としてつながり、当日に使える力に変わっていく。
不安を完全に消す必要はない。
不安があるからこそ手を動かし、修正をかけられる。
点数や順位に振り回されるのではなく、「自分は改善サイクルを回せているか」という視点で9月を過ごせばいい。
本番に向けてやるべきことはまだ残っている。その一つひとつを日常に組み込みながら、当日を「想定内」に変えていく。それが、合格に最も近づくための9月の過ごし方である。