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本記事では、マイクロチップ義務化の目的や登録手続について解説します。
Contents
筆者プロフィール
榊原 沙奈(90′)
榊原行政書士事務所 代表行政書士
やぎ座のO型。趣味は写真を撮ること、神社をめぐること。
マイクロチップとは?
マイクロチップは、犬猫の固体識別に使う電子標識器具です。
サイズは直径2mm、長さ8~12mmでカプセルのような形状をしており、装着には太い注射針のようなものを用いるため、切開は必要ありません。
マイクロチップには、15桁の数字が記載され、読み取りには専用のリーダーを使用します。
マイクロチップ装着のメリット・デメリット
ペットにマイクロチップを装着するメリット・デメリットは次の通りです。
マイクロチップ装着のメリット
- 迷子の防止
- 飼育放棄や悪意の遺棄防止
- 連れ去り防止
1.迷子の防止
普段から外に出る習慣がないと、犬や猫本人はもちろん、近隣の人にも身元がわからず、保健所に通報するほかありません。
そもそも、外出頻度が低いことで鑑札をつけていない子も多く見られます。
マイクロチップの場合、体内に直接埋め込むので、付け忘れ、装着後に外れてしまうリスクが低いと言えます。
2.飼育放棄や悪意の遺棄防止
ペットを迎えたものの、世話やしつけがうまくいかず、虐待・遺棄を行う人が問題となっています。
特に注目されるのは、売買目的で繁殖させた挙げ句、面倒を見切れず、劣悪な環境下で野放しにしているブリーダーです。
このような事態を未然に防ぐため、ペットの身元を明らかにし、飼主に責任と義務を持たせる効果が期待できます。
3.連れ去り防止
動物を慈しむ心を持つ人達がいるいっぽうで、彼らを「商品」として考える人もいます。
こうした人達による連れ去り、高額転売等が問題となっており、このような非道を許さないために、客観的な識別の実現は不可欠だといえます。
マイクロチップの装着により、言葉を話せないペットたちを識別する事ができ、また、安易に連れ去ろうとする考えそのものを抑止する効果が期待できます。
マイクロチップ装着のデメリット
- 装着時に痛みを伴う
- 読み取りに専用リーダを要する
1.装着時に痛みを伴う
マイクロチップの装着位置は、「皮下」です。
痛みの少ない箇所に直径2mmのマイクロチップを針で打ち込むため、通常の注射や点滴に用いる針よりも太い針を使う事になります。
切開や縫合などの外科的な処置を避け、痛みを極力抑えられる箇所を選んではいるものの、慣れない注射や道具を使われる事には、人間もペットも緊張しますよね。
我が子に痛い思いをさせたくない飼い主さんや、怖がりなペットにとっては、装着時の痛みや恐怖がデメリットだと言わざるを得ません。
飼い主だけでなく、ペットに寄り添ってくれる獣医師にお願いしましょう。
2.読み取りには専用リーダーが必要
マイクロチップには15桁の数字が記載されています。
これを読むには、専用のリーダーが必要です。
つまり、目視できない事がデメリットだと言えます。
現状でこのリーダーを備えている施設は、保健所や動物病院などに限られます。
装着が義務化されたことで、読み取る機会も増えるでしょうから、設置施設が増えていくことが期待されます。
犬と猫のマイクロチップ情報登録に必要な手続
マイクロチップ装着義務化に伴い、装着したマイクロチップ情報を、環境省のデータベースに登録する義務が生じます。
登録するのは「犬猫の名前」「生年月日」「飼い主情報」です。
すでに装着している場合
令和4年6月よりも前に装着した子は、原則、民間のデータベースに情報登録されています。
この場合、民間から環境省のデータベースへの移行手続が必要です。
手続の詳細はこちらをご覧下さい。
これから装着する場合
マイクロチップを装着した際、動物病院から「マイクロチップ装着証明書」が交付されます。
こちらに記載された情報をもとに、自分で登録する必要があります。
登録手続はこちらから行えます。
これからペットを迎える場合
ペットショップやブリーダーから令和4年6月1日以降に迎える場合、既にマイクロチップが装着されています。
万が一されていなければ、すぐに購入先へ連絡しましょう。
販売元であるショップまたはブリーダーが「登録証明書」の交付を受け、登録を行っているので、これらを引き継ぐ手続が必要です。
具体的には、既に登録された情報を「変更する手続」を行います。
こちらにアクセスして、「所有者の変更登録」を行いましょう。
このプロセスを怠ると、所有者がペットショップやブリーダーのままとなり、離れたペットを探す際に見つける事ができません。
つまり、マイクロチップの恩恵が受けられません。
まとめ
当ページでは、犬猫のマイクロチップ装着義務化について解説しました。